「ミシュラン(2) ダルジャンの転落」


まずは前回の復習から

「フランスには約10万軒のレストランがありますが、
 その中でミシュランガイドに掲載されるのは約4000軒。
 その評価は良い順に三つ星、二つ星、一つ星、そして星なし。
 2005年度版では一つ星402店、二つ星70店、三つ星26店でした。」

・・・で、
この度(2002/02/23)、
ミシュラン・ガイドの2006年版が公表されたんですが、
フランス最古の歴史を誇る「トゥール・ダルジャン」のランクが
二つ星から一つ星に転落しちゃったんです。

2006年版ミシュランによると
ダルジャンは「店の格式と料理の質がちぐはぐ」と評していてます。
ジャン・ルック・ナレ編集長は
「セーヌ川に面した素晴らしいダイニングルームを持つが、
 料理の質の維持に難点を抱えている」
・・・とコメントしているそうです。

このトゥール・ダルジャンは
1582年創設され420年以上の歴史を誇る超老舗レストランで、
フランス料理の真髄を最高級のおもてなしで・・・との趣旨から、
セーヌ河畔から望む輝く「銀の塔」を名の由来としているそうで、
各国の王室、貴族が集う最高級レストランとしてフランス料理界の
トップに君臨してきました。
人気のメニューは昭和天皇も召し上がったとわれる鴨料理。

当然、その評価も
ミシュラン創刊から1995年までの90年間余ずっと三つ星。
しかし、
1996年版で二つ星に、そしてついに今年一つ星に転落・・・・

実は
私も3年程前に一度行ったことがあるんですが、
自慢の鴨料理も特段スペシャルティーな味がするわけでもなく、
他の料理についてもコレ!・・・といったものはありませんでした。
 (関西の薄味に親しんだ私の舌の問題もあるんだろうけど・・・)
おまけに
ニコリともしない無愛想なギャルソン達と、
人を見下すような視線を投げかけるソムリエ、
たぶん私達が日本人だからバカにしてるんだろうけど、
余り愉快な気はしませんでした。
今思うと、
一つ星に転落してしまったのも当然かも・・・

ただし、
店の風格、気品といったものは半端じゃなかったです。
日本のどんな高級店でも足元に及ばないと思います。
(そんな高級店は行ったこと無いけど、たぶん・・・)
セーヌ川に浮かぶ真っ赤な夕陽、
ライトアップされたノートルダム寺院・・・・
この感動は言葉には出来ないくらい素晴らしいものでした。
でも、
あのギャルソン達やソムリエの態度と
確かに美味しいけどスペシャルティーじゃない料理じゃ〜・・・ねっ。
ちなみに
料金は日本円で1人約7万円とスペシャルティーでした。
(ワイン込みですけど)

でも、
ミシュランってスゴイですよね。
もし日本だったら
一度でも天皇陛下がお越しになられたら、
もう、もう、もう、もう、それだけで30年や50年は安泰ですもんね。
老舗や御用達に胡坐をかいて、
中途半端な味やサービスで商売してる旅館やレストランの多い事!
日本もフランスを見習いたいものです。

驕れる者は久しからず・・・・ってね。