「危険情報」

イラク日本人人質事件・・・・・
何はともあれ三人が解放されて本当によかったです。
でも同時に、
自衛隊派遣の是非はともかくとして、
3人が外務省の「退避勧告」に従っていれば、
また、3人の家族が「退避勧告」に従うよう3人を説得していれば、
少なくとも今回の事件は起こらなかったのに・・・とも思います。
拘束中のテレビ等の報道を見てると、
「崇高な目的の為だから・・・」と避難勧告を軽視し、
無謀とも思える入国を賛美していましたが、
MoMoには、非常に無責任な言葉のようにも聞こえました。

そこで、
今回は、皆さんが今後、海外に行かれる時の参考のため
外務省の危険情報について紹介します。

ご存知の方もあるかと思いますが、
外務省は渡航者に対し次のような4段階の危険情報を出してます。
1、十分注意してください
当該国(地域)への渡航・滞在に当たり特別な注意が必要であることを
示し、危険を避けるように勧めるもの
2、渡航の是非を検討してください
当該国(地域)への渡航に関し、その是非を含めた検討を真剣に行い、
渡航する場合には、十分な安全措置を講じることを勧めるもの
3、渡航の延期をおすすめします
当該国(地域)への渡航はどの様な目的でも延期するよう勧めるもの。
また、現地に滞在する邦人に対しては退避の検討や準備を促すもの
4、退避を勧告します
現地に滞在している全ての邦人に対して当該国(地域)から、
安全な国(地域)への退避(日本への帰国も含む)を勧告するもの

ここで注意して欲しいのが、
第2段階において「十分な安全措置を講じること」として、
「身の安全は自己の責任において守る」と明記されている事、
第3段階において「どの様な目的でも」としている事、
第4段階においては渡航が想定されないほど危険だという事です。

また、
海外旅行実施基準(以下要約)というものがあって、
私達はこの基準に従って、旅行を主催・手配、販売してます。
3、渡航の延期をおすすめします 及び
4、退避を勧告します・・の場合

主催旅行(いわゆるツアー)は中止。
実施中の旅行は速やかにご旅程の変更、当該地域から離れる。
手配旅行(個人旅行、団体旅行、航空券販売)は、
契約前に「外務省危険情報」を渡し、生命の危険がある事を案内する。
旅行契約後、出発までの間に危険情報が発出された場合も同様。
旅行の実施・継続or中止の判断は旅行者の自己責任と案内する。

つまり、
旅行者は渡航前に危険を十分認知できるシステムになってるんです。

特に今回のイラクの退避勧告では、
以下のようなコメントまで添えられています。(要旨)
1、国連本部、国際赤十字委員会事務所等の爆破テロ事件など
  民間人・施設を標的とするテロ事件が多数発生しており、
  日本人や日本の関連施設等がテロの標的となる可能性がある。
2、現地の警察制度が未整備である等の理由により、
  在イラク日本大使館(日本政府)による援護活動は極めて困難。
3、イラクへの渡航は如何なる目的でも情勢が安定するまで延期。

確か5〜6年前だったと思うのですが、
エジプト・ルクソールで起こったテログループによる乱射事件・・・、
この事件でも日本人10数名が亡くなっていますが、
その時は「渡航延期」を無視して現地入りした旅行者が犠牲になっているんです。

海外は日本のように安全ではないのです。

外務省の危険情報は、
外務省のHPで公開されてますし、旅行社に行けば教えてくれます。
海外旅行に行かれる時は、この情報を必ず調べて、
自己の責任で安全を確保できる国に行くようにして下さいね。
国の怠慢、無責任と思われる方もおられるでしょうけど、
「国の制止を振切って、自分の意思で危険を冒す」・・のであれば、
「自己責任」・・・というのは、一歩日本を出れば社会常識なんです。
皆さんが、
安全な海外旅行を楽しまれる事を・・・・・


PS.
ここでは、自衛隊派遣の是非とは切り離して、
退避勧告地域への渡航の危険性について説明しているつもりです。
人質になった3人の方々を誹謗する意図は一切ありません。
しかし、
彼らの国の退避勧告を無視した軽率な行動のために
我国だけでなく、様々な国、団体、そして多くの人々に
多大なる迷惑をかけたことは紛れもない事実で、
大いに猛反省すべきでしょうね。