「しめ縄」


皆様のお家もお正月には
「しめ縄」を玄関先に飾られたと思います。

この「しめ縄」
一般的には松の内(*)には片付けますよね。

(*)松の内は本来は1月15日まで。
  現在は東日本を中心に1月7日とすることが多くなっています。

でも、
皆さんのご近所や通りすがりの町で、
松の内を過ぎても・・・いえ、一年中ずっと、
玄関に「しめ縄」を飾っている家を見たことはありませんか?
 
もし、
一年中、玄関に「しめ縄」を飾っている家があれば、
その家の方は、まず・・・、間違いなく・・・、三重県出身の方です。

というのも、
実は、三重県、特に伊勢地方を中心に
「しめ縄」を一年中、玄関に飾る習慣があるのです。

その謂れは神話の時代までさかのぼります。
ザックリ紹介しますと、

かのスサノオノミコトが、お嫁さん探しに旅に出た時に
伊勢の地で泊まるところがなくて困っていたところ、
貧しいけれど心清らかな蘇民将来という男性が
出来る限りのおもてなしをしてくれました。
スサノオノミコトはその御礼として、

「後の世に疫病あらば、汝、蘇民将来の子孫と云いて、
 茅の輪を以ちて腰に付けたる人は免れなむ」

・・・と言い残し、
それ以来、蘇民将来の家子々孫々まで栄えたそうです。

 で、三重派伊勢地方を中心に
 「しめ縄」に
 「蘇民将来子孫」の木札をつけて、
 魔除として一年中飾るように
 なったんだそうです。

 ちなみに、
 スサノオノミコトは
 蘇民将来の家を訪ねる前に
 蘇民将来の兄の屋敷を尋ねましたが
 追い返されています。

兄は大金持ちですが、とても意地悪な性格だっんですね。
当然、兄の家はすぐに没落してしまいました。

「しめ縄」ひとつとっても、
それぞれの郷土の歴史や神話があるんですね。

これだから旅行はやめられません。
郷土の歴史も神話は知れば知るほど楽しいものですしね。


write 2017.01.10