2004/09/15
「年の功・・?」

さてさて、
今日のお客様は、地元の老人会の皆さんです。

失礼な言いようになりますが、
お年を召した方の場合、
団体行動が苦手で自分勝手に歩き回っちゃう方が結構多いし、
年寄りだから許される・・・とルール無視をする方も少なくないんです。
加えて、
疲れが出ないよう、体調を崩さないよう、怪我などされないよう・・・
そして持病への対応・・・・等々
その気遣いといったら、そりゃ、もう大変なんです。
ただ、
一生懸命頑張ると、すごく可愛がってくれて、
「うちの孫の嫁に・・・・」
なぁ〜んて言ってくれたりするんですけどね。

・・・でも、
今回のお客様は、スッゴクおとなしくて、わがままも全然なくて、
私もガイドさんも拍子抜けしてしまって少し寂しい位だったんです。
「今回は楽だぁ〜」・・・なんて思っていたら、
バスの中で、
おばぁちゃま(推定70代後半)が、

「ちょっとぉ〜、ガイドさ〜ん」
「はい!」

ガイドさんが飛んでいくと、
持参のお椀に水をくれとのこと。

「お安い御用です、でも、なんに使うんですか?」

・・・と、ガイドさんが水を手渡す前に聞くと、

「夕べ、うっかり忘れたもんでなぁ」・・・と、出したのは入れ歯。

そう、
入れ歯の洗浄のためだったんです。
さらに・・しばらくすると、

「ガイドさんかMoMoちゃん、ちょっと来て〜」

どうやら洗浄液を少しこぼしたらしいの。
早速、私がお絞りを持っていきました。
お洋服、イス、床をきれいに拭いて、

「はい、これで大丈夫ですよ。 他には何もございませんか?」

「そうそう、私ね、今日、朝早かったから眠いねん、
 悪いけど、コレ、MoMoちやんが持っといてくれへんか?」

「えっ、いや・・・その・・・」

「あぁ〜、ありがとう、やっぱりMoMoちゃんは優しいわ・・・
 皆もそう思うやろぉ〜」

・・・って、
周りに同意を求めるんです。
しかたなく、
入れ歯の入ったお椀を彼女が目覚めるまで持つ羽目に・・・
これって、情けないですよぉ〜
バスが揺れるから、置いておく事が出来ないし・・・


そして翌日、
またまた、例のおばぁちゃま、

「ガイドさんかMoMoちゃん、ちょっと来て〜」。

「また入れ歯ぁ〜」・・・と、ガイドさんと二人で出向くと、

「シート、倒してほしいねん」・・・との事。

ホットしながら、リクライニングにしてあげました。
すると、
そのお客様、私達2人の顔をマジマジと見ながら

「あんたら、また入れ歯やと思ったんやろ・・・
 フッフッフッ顔に書いてあるわ〜・・・年寄りバカにしたらアカンで。」

「いえ、あの・・・」 
私達2人、思わず顔を見合わせて赤面してしまいました。
「やっぱり、年寄りには勝てないよねぇ〜」