2004/02/01
「一泊二日の恋?」

学校が長期休みとなる「夏休み」「冬休み」「春休み」には、
お子様連れのお客様が多くなります。

子供達が入ると賑やかで明るい旅行になるんですが、
私達添乗員、特に女性添乗員にとって、この子供達は天敵なんです。
別に、子供がキライ・・・・・ってことではありません。
ご両親が、
「旅行に来た時くらい、子供から解放されてのんびりしたい」
・・・って思ってることが問題なんです。

「あのね、パパとママは、他の大人の人達とお話があるから、
 お姉ちゃんといてねぇ・・・、いっぱい遊んでもらうねんでぇ・・・。」

あ・・あのぉ〜、
私・・子守に来てるんじゃないんですけどぉ・・・?!

・・・ってな感じで、
2003/8/25日付の添乗日記にもあるように、
朝の6時からラジオ体操につき合わされたりします。

・・・で、
今回は7才の男の子に捕まってしまったんです。
その彼なんですけど、
一人前にスーツ着てネクタイして・・・
そう・・・、ちょうどマンガの名探偵コナンみたいな感じです。

いきなり手を握ってきたかと思うと、
「このままズッと手を握っていたい・・・、
 君の事・・・MoMoって呼んでいいよね?」

「はいぃ・・・???」

もう、それからが大変。
ランチの清算からホテルフロントでの打ち合わせ・・・
ずうぅ〜〜〜と、くっついて来て離れないんです。

「MoMo・・・・年下の男ってどう思う? 
 俺・・・、自慢じゃないけど、見た目より大人なんだよね。
 クラスの女の子なんて、ガキっぽくて相手にならなくて・・・ふっ・・」

見た目通りのお子ちゃまなんですけど・・・

「ごめんねぇ・・、お姉ちゃん、今、ちょっとお仕事だから、
 パパかママのところに行っててくれるかなぁ??」

「どうして? 僕たち・・・ずっと一緒だよ。」

「はぁ・・・」

一方、
その様子を見ていたお客様方はバカ受け。
「よっ、お二人さん、お似合いだよ!!」

あのねぇ〜・・・
火に油を注ぐようなこと言わないでよぉ・・
仕事になんないじゃないの!!

宴会中も
彼はそのまま手を握りつづけ、片時も離れることはありませんでした。
まさに、二人の世界・・・・!!

そして・・・宴会後、
「今晩、MoMoの部屋に行っていいかい?」

「だめよぉ、女の子の部屋に男の子は入れないのよぉ。」

「違うよ、恋人同士は裸で一緒に寝るんだよ。
 僕、テレビで見たことあるもん。」

おぉ〜い・・・いったい、どういう教育してるんだ?
この子、普段、どんなテレビ番組見てんの??
それとも、最近の小学生って・・・こんなん??

「ふぅ・・・・ごめんね・・・・・実は、お姉ちゃん、好きな人がいるんだ。」

「えぇー! そいつ、僕よりかっこいいの?」

「うう〜ん・・・おんなじ位かな?」

「僕より、そいつのことが好きなの?」

「うん、ごめんね」

「わかった、僕が子供だからなんだね
 僕・・・、MoMoのこと・・・あきらめる・・・・・」

可愛そうだったけど、
真剣に身の危険を感じたし・・・仕方ないよね。

やがて旅行が終わると
彼がMoMoのところにやって来て、
「もっと、早く会いたかった・・・遅すぎた生まれてくるのが・・・」
そういい残して去って行きました。
 (思いっきり涙目・・・・)

その背中を見ながら
MoMoはつぶやきました。

「いい男になるのよ・・・そして、二度と私の前に現れないでね
 私・・・ベタベタする男・・・嫌いなの」