2014/05/01
「通訳」


6〜7年前の事になりますが
アメリカ東海岸のツアー(主催旅行)に添乗した時のことです。

私の部署は、

【企業・各種団体の慰安旅行、懇親旅行】
【学校の教育旅行(修学旅行等)】

・・・の企画〜手配〜添乗なのですが(手配旅行)、
何かの拍子でツアーの添乗に行くこともあるんです。

まぁ〜、ヘルプみたいな感じです。

で、その時のツアーなのですが、
ある田舎の町の市会議員さんのご夫婦が参加していたんです。

この2人、
選民意識が強いというか、周りを見下してるというか・・・
とにかく、私的にはとってもイヤぁ〜な感じなのです。

例えば・・・

機内では、
CAを呼びつけては無理を言って

「それは、ちょっと。他のお客様のご迷惑にもなりますので・・・」

「君ねぇ〜、わしを誰だと思ってるのかね。」


現地についても、観光地等で

「あっ、こちらは立入禁止ですよ。」

「旅行社の社員ごときが! わしを誰だと思ってるんだ!!」


で、
ホテルに到着すると、

「ホテルの者に、わしの事を日本の有名な実力派国会議員だと言え!」

「はぁ〜?? (市会議員だろ!)」


それまでの事もあって、
いい加減、腹が立っていたので、フロントで大きな声で通訳

 「この人、日本の実力派の国会議員だと紹介しろと言ってるけど、
  実は、田舎の町の市会議員です。
  でも、とりあえず、ご挨拶だけでもお願いできますか。」


すると、
フロント全員、バカうけ!
先生に駆け寄り握手

フロントA 「ようこそ、国会議員じゃない田舎の市会議員」

フロントB 「お会い出来て感激です。 田舎の市会議員」 )


周りにいた外人客も集まって来て、

外人客 「田舎の市会議員、グレート!」

外人客 「クールだぜ! 田舎の市会議員」

先生  「サンキュー! サンキュー!」


至福の笑顔で握手に応える先生。

奥さんといえば、その姿を写真に撮りまくり。

「きっと、 帰国後の自慢話に使うのね。
 でも・・・簡単な英語だから、普通は気づくと思うんだけど・・・」