2002/1/15
ワビサビ

ワビサビ・・・・・三省堂大辞林によると、
   飾りやおごりを捨てた、ひっそりとした枯淡な味わい。
   古びて趣のあること。閑寂の趣。
   茶道・俳諧の理念の一つ。
・・・なんだそうです。
中学・高校の歴史や国語の時間に習ったことを憶えてます。

「人の知らない隠れた名所のホテルに泊まり ワビサビを楽しむ。」

・・・というのが、今回のお客様の趣旨だそうで 、
ホテル・旅館は、幹事さんが、ご自身で選んで予約を行うとかで、
わが旅行社の手配は、バス、昼食、観光だけという変則型でした。
「変わったお客様」と 思いつつ・・・、いざ添乗に・・・。

一泊目。
山の谷間、 コンクリート打ちっ放しのホテル。
私が案内された部屋は 荷物置場の様な部屋。
トイレやテレビは無く、 ドアにはカギもない。
エアコンはあるけど、 噴出し口に板が張ってあるので使えない。
当然、ストーブも無し、暖房器具はふとんだけ。
共同トイレは1階にしかなく、電気も切れてて、真っ暗。
お客様方の部屋は、 さすがに、そこまではヒドクないけど・・。
スキー場のロッジ・民宿のほうが、ズゥーとマシって感じ。

二泊目、
窓の外は、明かり一つ見えない、真の暗闇。
人里はなれた場所。 陸の孤島か?ここは?
乗務員部屋は、バス・トイレ・テレビ・エアコン・テーブル無し。
おまけに私の夕飯は、市販のお弁当だったらしい。
でも手違いで、 お客さんの部屋に配達されたらしく、
ビールのつまみになって、パァー。
私はもちろん笑顔で、
「お気になさらないで下さいね。」

三泊目、
外見はペンション風のプチホテル。
「あぁー、うれしい、まともな所だよぉ」・・・と 喜んだのも束の間、
部屋に入ると、 少し窓が割れていて、突風のような隙間風。
当然、エアコン・ストーブなどの暖房器具は無し。
フロントにクレームを入れても、
「それが、どうかしましたかぁ」・・・というような対応。
他に部屋は無く、山の中で近くに宿泊施設は無い。
しかたなく、新聞紙を張って、コートを着て布団の中に・・・。

挙句の果てに、帰りのお客様の言葉、

「三日とも、ホテル良くなかったよね。高いばっかりで・・・・」
「ほんと、もうこの旅行会社は使いたくないわね。」

なんと・・・、
幹事の方が、不手際の全てを会社の責任にしてるんです。

それは、私のセリフ。
何がワビサビよ?!
すっかり風邪をひいてしまいましたわよ。