2008/08/01
「部屋を代えて!」
I県W温泉 結構有名なホテルだぞぉ〜


その日、
私が通された部屋は
乗務員専用部屋ではなく、6階の一般客室。

夜・・といっても、
そんなに遅くなくて、12時ちょい前くらいの事

隣の部屋から
「コン、コン」・・・と壁を叩く音が聞こえたんです。

始めは、
ドアを軽くノックする時のような軽い音だったんですが、
徐々に強くなっていき、その叩く音の間隔も短くなり、
数分後には、

「ドン! ドン! ドン!」

・・・と、
思いっきり壁を叩いているのか、蹴っ飛ばしているのか
壁だけでなく部屋全体が揺れる程の強さ、激しさなったんです。


とはいえ、私も女の子
直接、隣の部屋の人に注意するのは怖いので、
フロントに電話したんです。

「あのぉ〜、6○○号室のMoMoですが、隣の部屋の人が壁を・・・・」

・・・と、
私が事情を説明すると、フロントマンは、

「招致致しました。すぐに対応致しますので、安心してお休み下さい」

・・・と言って、電話を切っちゃったんです。

私としては、
最近、変な人多いから、
注意してもらったことで、逆恨みされたりしてもイヤだし、
部屋を代えてもらいたかったんですが
「安心してお休み下さい」って言われると・・・ねぇ〜

で、
3〜5分後、
隣の部屋の音がピタッと止んだんです。

「あれ??」

おかしいんです。
隣室の人とフロントマンが話をした雰囲気がないんです。
普通、こういった苦情があった場合、
フロントマンは電話ではなく、部屋に出向いてお願いするんです。
なのに、
そういった雰囲気が全く無かったんです。

まっ、でも、
静かになった事に越したことはないので、寝ることにしたんです。

・・・が、
今度は、部屋の外、廊下から、
「ボソボソボソ・・・」と小さな声が聞こえます。

「な、何の声?」

恐る恐るドアを少し開け、廊下の様子を伺うと
なんと!
フロントマンが、隣室のドアの前に座っていてお経をあげていたんです。
ドアの前に盛り塩をして、お線香を焚いて・・・・

そして、
私に気付くと満面の笑顔で、

「もう大丈夫ですよ。ちゃんとお経をあげると、朝まで静かなんです。」

「そんな事しなくていいから、部屋を代えて!!」