2006/04/01
「集合場所は私?」


今年で5年目の担当になる大阪市内の某自治会の旅行会での事。
集合場所は大阪市内の大きな公園の一角。

その日はやけに車の流れがよく、
バスが集合場所に着いたのは定時の一時間近く前。
(事情があって私も車庫からバスに乗り込んでたんです)

「早く着きすぎちゃいましたね」
「ホンマやなぁ〜、 俺、ちょっと公園の散歩してくるわ」

ドライバーのMさんが散歩に出た後、特にすることも無いので、
ガイドのAちゃんとバカ話に花を咲かせていると・・、

ドン!ドン!・・とバスの扉を叩く音。

見ると、

「早く開けろ! 早く!」と慌てた様子のMさん。

「どうしたんですか??」

Aちゃんが扉を開けると同時に、Mさん、車内に飛び込んできて、
ドライバー席に座ったかと思うと・・・

「すぐ出すからな!」・・・と叫んでバスを急発車させたんです。

「ちょっ、ちょっと、Mさん! 何処行くんですか?」

Mさんは無言のままバスを走らせ、
集合場所とはちょうど反対側の公園の一角にバスを止めたんです。

「Mさん、どうしたんですか?」
「いやぁ〜・・・殺されるかと思ったぁ〜」
「はい???」

Mさんの話によると
公園を散歩中、急にオシッコがしたくなり、
慌てて木々の陰で用を足す事にしたそうなんです。
用を足している最中、ふと気づくと、
用を足している木のスグ後ろ側に大きなダンボールハウスがあって、
それが小刻みに動いていたんですって。
「あっ、しまった!」
・・・と思ったそうなんですが、
用が急に止まるはずもなくオロオロしていると、
ダンボールハウスのドア(?)が開いて・・・
中には裸の男女(推定50才以上)、どうやらHの真っ最中の様子。
「あ・・・あの・・・」
Mさん、突然の事に動揺したのか思わず男の顔にオシッコを・・・。
後は、Mさんがチャックを上げるのが早いか、
男が服を着るのが早いかの競争で、何とか逃げ出してきたとの事

「そんな感じやから、あの場所にはバス戻られへんよ。」

「そんなぁ、困ります。」

「困るのは解るけど、もし元の場所に戻ったとき、
 男が仲間でも連れてきてたら、お客さんはもっと困るんとちやうか?」

「それは、そうやけど・・・・」

で、結局
私が幹事さんに電話して集合場所を変更する事になったんです。

「おはようございます。 ○×旅行のMoMoです。」

「やぁ〜、おはよう。何や? 今、集合場所に向かってるところやで」

「それが、あのぉ〜・・・(中略)・・・ということなんです。」

「OK 判った。
 スグ皆に連絡するから。そのくらいの事、全然気にせんでええぞ」

30分後、
定刻に遅れること10分ほどでお客様が続々集まってこられたんです。

「MoMoちゃん、迷子で集合場所にたどり着けなかったってぇ!」
「迷子じゃないですよ。 ちょっと場所が判らなかっただけですもん。」

「添乗員が迷子なってたらあかんやろぉ〜、MoMoちゃん」
「だってぇ〜」

「いやぁ〜、でも迷子なんて、MoMoちゃんらしくてエエやん」
「どういう意味ですか、それ?」

そうなんです。
まさか本当のことも言えないので、
私が公園の反対側に出てしまって、場所が判らなくなったために、
私の居場所を集合場所にするって事でオチをつけたんです。
幸い
皆さん誰も文句一つ言わずに笑顔で来て下さって良かったのですが、
私は出発前から1日働いたような疲れが・・・・。

おまけに、
一回目の休憩場所(SA)でMさんが

「ほんと、今日はMoMoKoで助かったわ。
 他の添乗さんじゃ、なかなか、こうはいかへんからな。」

するとAちゃんまで

「そうですよね。他の添乗さんなら、
 迷子なんて言い訳、絶対通用しないですもんね。」

あのねぇ〜、
皆して、私の事どういう風に見てるわけ?
それから言っときますけど、この貸しは大きいからね!