「病怨」
大阪 扇町近郊の某病院
ありゃま!さんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)

これは、
ウチのおじいちゃんが体験した話しを父親から聞いた話です。
以前、
おじいちゃんは、
大阪の扇町にある某病院に目の手術で入院していました。
おじいちゃんが入院していた頃の病院の建物(旧舘?)は取壊されて、
隣に新しい建物(新館?)が建てられています。

部屋は何号室かは聞いておりませんが、
おじいちゃんが病室で初めての夜を過ごした日のことです。

生まれて初めての入院ということで
おじいちゃんは、なかなか寝付けなかったらしいのですが、
やはり年ということもあって、
そのうちに寝てしまっていたらしいんです。
そして夜中・・・・、
ふっ・・・と人の気配を感じ、目を開けたらしいんです。

見ると・・・、ベッドの左側に鎧武者が刀を持って立っていて、
おじいちゃんを睨みつけていたらしいんです。
おまけに金縛りにあって身動きも取れません。

そして何気に足元の方にある鏡を見ると、
髪の長い女が、あの映画「リング」と同じように、
鏡の中から出てきたらしいんです。

新たな気配に今度は右を向くと、
戦時中の服装をした女と軍服姿の男が立っていたといいます。
その間にも
足元の鏡からは、霊がどんどん病室の中に入ってきたそうです。

左側には武者、
右側には戦時中にいたような女と、軍服姿の男。
足元の鏡からは髪の長い女と次々に現れる霊。

金縛りの中、おじいちゃんは意を決して
「誰じゃ!!!!」
と怒鳴ったらしいんです。
すると、
おじいちゃんを囲んでいた霊たちがふぅ〜っと消えたというんです。

翌朝、
おじいちゃんが、お見舞いに行ったおばあちゃんに事を話すと、
おばあちゃんは家に帰るやいなや、
お仏壇に向かって、お経を唱えたらしいんです。

すると、
その日の夜から、
おじいちゃんの病室に霊は現れなかったそうです。
そして
おじいちゃんの手術は無事に終わり退院しました。
そして間もなく、
その病院は取り壊し、今の新しい病院になったらしいのです。
(この話はほんの2年ほど前の話しです。)

普通ならこれで終わりなのですが、
昨年、叔母が肺ガンのため、新しくなったこの病院に入院したんです。
従姉弟と僕とでお見舞いによく行きました。
その時、
叔母と同じ病室の患者さんが僕に話してくれましたんですが・・・

「この病院、ちょっと前までアソコこにあってんで。
 この病院。私も前の病院から入院してるけど、
 よう出るんや・・・。 昔の人がほとんどやけど・・・。
 金縛りなんて毎晩のことやったで。」