「霊場巡りにて・・・」
愛媛県 D温泉
西郷隆盛さんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)

MoMoさん、はじめまして。
私もずっと添乗員やってます。

この業界に入るまでは、霊感なんか無いと思っていた私が、
仕事を通じて多くの怖い体験をしました。

この話は、その不思議体験のひとつです。

その日は、
四国八十八箇所の霊場巡りのツアーに添乗していました。
昔は、
自分の足で歩いて巡りましたが、
最近は旅行会社のツアーなどを利用して、
バスで巡るのが主流です。
 (もちろん、徒歩で巡っている方もたくさんおられます。)

こういったツアーでは、
MoMoさん「添乗日記/旅のアラカルト」でも紹介してるように
お客様の掛け軸や朱印帳等は、私達添乗員が預って、
お客様がお参りされている間に、
社務所に走っていって、朱印をもらってくるんです。

その日の泊まりは、
道後温泉ホテル***旧館でした。
私が通された部屋は、
壁に油絵の額縁が掛けられた、
なんとなく暗〜いイメージのするツインのお部屋でした。

夜中の2時頃、
すごく寝苦しくて、汗をかきながら目を覚ますと
巡礼の白衣を着た青白い顔の白髪の中年男性が、
ベッドの枕元に立っていて、私の顔をを覗き込んでいました。

その目は、
深くて、青い、沈んだ・・・生気の無い・・
そして、
怨念に満ち満ちた様な目でした。

私は怖くなって、
知っている呪文を唱え続けました。
その呪文は、
昔、叔母から、何かあった時にと教えてもらっていたものでした。

無我夢中で呪文を唱えていると、
その中年男性は、
不意に、私から背を向けたかと思うと、
空気に溶け込むように、スウゥー・・・と消えていったのです。

時計を見ると
時刻は2時15分を過ぎていました。

そして、
男性が消えて行った場所は
お客様から預かった、
霊場参りに用いる白衣やら掛け軸等を置いている場所でした。

現れた中年男性は、
これら霊場巡りの持ち物と関係のある人物なのでしょうか?
それとも、この部屋(ホテル)に関係のある人物なのでしょうか?