「警備員・・・」
東京都
某有名博物館
ミアキスさんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)

もうずいぶん前の事になるんですが…。
某都内有名博物館・・・・、
生きてるような霊に、遭遇したことがあります。

その日、
友人と3人(仮にSとY)で博物館に遊びに行ったんです。
・・・で、
順々に展示を見ていたとき
初老の警備員さんが声を掛けてきたんです。

「君達は勉強熱心だから、案内してあげる」・・・・・と。

その人は、館内の色々な所を案内してくれました。
その間にも
色々と世間話(Sと警備員の家が近い等・・・)をしました。
そのうちにYが、

「◎時から始まる飛行機の運転シミュレーションがやりたい」

・・・・と、言いだしたので、
警備員さんに一緒にそこまで行こうと言ったんです。
すると、警備員さんは、

「私はもう交代時間だから、持ち場に戻らないといけないんだ。
 4時になったら暇になるから、ミイラ室の前で待ち合わせよう」

・・・と、言って去っていきました。

その後適当に時間を潰し、
4時に待ち合わせ場所に行ったのですが、
警備員のおじさんは来ませんでした。

案内してもらったお礼をちゃんと言いたかったのに
会えないまま閉館時間になってしまい、
やむなく帰りました・・・・・。

その夜、
Sが慌てた様子で電話を掛けて来たんです。

Sの従姉妹にあたる人が博物館で受付をしているので、
Sは警備員の事を話し、会ったらお礼を言ってくれといったそうです。
しかし、
従姉妹は怪訝な顔をして、

「そんな警備員、いないよ?」・・・・と。

「え、でもその人うちの近くに住んでるって・・・・
 この近くの大きな球場の所だって」

友人がそう反論すると、従姉妹さんは

「・・・この近くの球場?
 それ、何十年も前に取り壊してるよ」・・・・と

でも
その人、ちゃんと博物館の制服着てました。
ただ、
言われてみると確かに人気のある展示室には
案内されなかったんです、一度も。
それに、
世間話の中で友人が先の従姉妹さんの話しをした時、

「ああ、△×のお嬢さんか」・・・・って言ってたんです。

・・・姉妹といっても、
その時点でもう「おばさん」の域だったんですよね、その方。

ま、ここまでなら
単に従姉妹さんの勘違いかと、
言い切れるかもしれないんですが・・・・。

それから10年近くたった去年のこと、
・・・・また、私会っちゃったんですよ・・・・その人に。

といっても、
迷路の様な館内で、私の進行方向をすっと横切ったんです。
10年前と、何も変わりない姿で・・・・・。
ちらっと目があった瞬間、
にっこり微笑んでくださいましだが。
さすがに怖くて引き返しました。

この博物館で、
案内を申し出てくる初老の警備員・・・・・。
(左目の眼球に傷がありました)

彼は、
生きてる人なのか、それとも亡くなってる人だったか…
私には、そのいずれも確信がありません。