「幽霊バス」
yamamotoさんの投稿

そう、あれは10年ぐらい前の話です。
京都の円町の近くの会社のガレージに車を取りに行ったんです。
週末だったので車を置いて飲みに行ったんです。
日曜日の夏の夕方の5時頃、まだ明るかったはずです。

京都駅から「宇多野ユースホステル行き」の市バスに乗ったんです。
なんか古ぼけたバスでした。
一番後ろの席の真中に座ったんです。
なんか変でした。
窓から見える景色がセピア色で、まるで戦前の様な町並み。
看板とかもやけに古くさいんです。

こんな町並みだった?
・・・と思ってると壬生寺道というバス停で女の人が乗込んできました。
どうみても彼女はキツネ顔なんです、
・・・と言うかキツネそのものなんです。

でも、
まわりの人たちはまったく気にしてないみたいなんです。
彼女はずーっとこちらを見てます。
気まずい感じでした。

やっと円町のバス停に着いて、降りようとしたら
急にバスの中の人の気配が無くなりなした。
あれ?・・・と思ってフロントガラスを鏡がわりに見ると、
後ろのサラリーマン風のおじさんしか見えません。
危ない気配です。

料金を急いで払おうとして運転手を見ると、
「銀河鉄道999」の車掌さんみたいに顔が影なんです。
真っ黒な空間なんです。
怖くてバスから飛び降りました。
バスの窓からたくさんの視線を感じたんですが、
恐怖で見れませんでした。
後のおじさんも飛び降りて来ました。
そして
全力で走り出しました。
その時、ちらっと、こっちを見たおじさんの顔は恐怖でゆがんでました。

気がつくと僕も走ってました。
それにしても変なのが時間です。
京都駅から円町までは30分ぐらいなのに、
バスを降りる時はもう暗くて8時を過ぎてました。
あれはいったい何だったんでしょう?。