『何が見えていたのか?』
ajtmさんの投稿
(原文のまま)


子供が小さい頃、熱海の保養所へ行った時の体験です。
他の方の投稿を読み、あっ! と思い出したのでメールさせていただきました。

もう何年も前の体験ですが、家族旅行で私達夫婦と上から6歳5歳1歳の子供を連れ会社の熱海の保養所を訪れました。

その保養所は近代的な5階建のコンクリート造り、内装はそれなりに何度も手を加えられながら小綺麗に保たれた感じでした。

食事処と大浴場も明るく綺麗で快適でした。
またその保養所には小さいながらも卓球台とゲームセンターがありました。
ゲームセンターと言っても常時灯りがついてるわけではなく、行った人が灯りをつけゲームのスイッチを入れて遊び、そして夜の8時には完全消灯となるゲームセンターでした。
確かゲームセンターは3階に位置しました。
私達の泊まる部屋は5階でした。

私達家族は子供達を連れて他の利用者と共にそこで遊びました。小さいながらも子供が楽しむには充分なゲームセンターでした。

しばらく遊び大浴場に行こうとゲームセンターを後にしました。大浴場で気持ちよく入浴を済ませ、自分の部屋へ階段を昇ります。
途中には3階のゲームセンター前を必ず通らなくてはなりません。

8時の完全消灯時間を過ぎていたのでしょう、ゲームセンターは灯りが消えてました。暗い部屋を5歳の息子が名残惜しそうに覗きました。
真っ暗なので『ほらほら、行くよ〜』と促し5階の部屋に戻りました。

真っ暗闇で祭りの後の静けさの、物悲しい感じでした。

部屋に戻りましたが、しばらくすると冷たい飲み物が飲みたいとジュースを買いに旦那と子供達がまた出かけて行きました。
販売機にはまた3階を通り階段で下まで行かなくてはなりません。
しぶしぶ旦那は出かけて行きました。

ジュースを手に入れ、喜ぶ子供達はパタパタと階段を昇ります。
また3階を通ります。

電気の消えた3階は廊下も暗く非常口のみ光っています。

6歳5歳の子供はサッサと昇っていきました。1歳になる娘は階段はちょっと大変な様でした。なかなか進まないので旦那が手を引いて一緒に昇りました。

3階のゲームセンターの所で娘が止まりました。そして真っ暗な方へ行こうとしました。
旦那がそっちじゃないよと制し抱っこをしました。すると娘は『あっち行くのぉ〜』と暗闇を指差しながら言います。

旦那はとても怖くなり暴れる娘を抱っこして絶対に下ろさない様に思ったそうです。
『あっち行くの〜!あっち行くの〜!』と泣きながら言う娘を、恐怖にかられながら行かないよと諭し足早に3階を通り過ぎようとしました。

すると、ゲームセンターをなんとか通り過ぎようという時、抱っこされた娘が暗闇に向かってバイバイと言いながら手を振っていたそうです。

旦那は恐怖で背筋が寒くなったそうです。

この話をこの保養所に泊まったことのある人に話すと、『あー、あの保養所は心霊現象では有名なんだよね』とのこと。

1歳の娘には何が見えたのか?今思い出しても背筋が寒くなります。