「老婆の怒り」
奈良 信貴山スカイライン
坂本さんの投稿


今からお話する所へは、おもしろ半分で行かない方が
いいかもしれません・・・

これは奈良県の山中にあるドライブウェイ・
信貴山スカイライン(以下・信貴スカ)での恐怖体験です。

車の免許とりたての18歳の夏でした。
同級生の男4人・女4人の計8人で親から借りた車2台に分けて、
大阪の夜景を見に生駒山上へと行った時の事です。
友人A男が、『信貴スカ行こうゼ!』と言い出し、
A男の運転で男2人、女3人で1台の車に乗り込み、
彼等は信貴スカに入って行きました。
彼等が出て行って20分〜30分程経ちました。

『グシュン』と何かに当たる鈍い音が聞こえ、
音の方向を見てみると、出ていった彼等の車が
ガ−ドレ−ルにぶつかり停車していました。
すぐに駆けつけ車内を見てみると・・・
A男は真っ青な顔をし、強くハンドルを握ったまま硬直しており
助手席のB男は、『ハア・・ハア・・』と小刻みに息をして放心状態、
後ろに座っていた女の子3人の、
C子は背中を丸め、足元にうずくまり、
D子は隣の子にしがみついたまま泣きじゃくり、
E子はブツブツと何かをしゃべっていました。
ただ事ではないと思い、E子に話を聞く事になりました。。

どうやら走り出して10分程で、
E子が『気味が悪いから引き返えそう』と言ったらしく、
引き返してくる途中、右側にポッンとこの山奥で
誰が使うのだろう?と思う様な電話BOXがあったそうです。
その電話BOXを通り過ぎた時、
E子が『みんな!後ろ見たらアカンで!!』と言いました。
その声に皆は驚き、A男はバックミラ−で
B男、C子は何も意識せずに振り返りました。

そこには車のリアガラスに、体中を青白いモヤで包まれ、
真っ赤な口紅をして、白装束の髪の長い老婆がガッシリと
しがみ付いて、鬼の様な形相でガラスを叩いていたそうです。

車内はパニックになり、必死の思いで引き返して来たと言うのです。
後からこの話を他の人にすると
『あの電話BOXが呪われているのは有名だよ。
 昔、働けなくなった婆さんたちをこの山へ捨てる習慣が有って、
 一日分の飯を持たせ、最後の化粧をさせて捨てたんやって。。』
と聞かされました。
あの時の老婆は、きっと一人で寂しくて
家に帰りたかったんでしょう。
そう思えば少し悲しくなりました。。

この事件で、私を含めこの8人は二度
と信貴スカへ行く事は有りませんでした。
8年経つ今でも行けません。。

そしてE子が、あの時ブツブツ言っていた事は、
お経だったそうです。。