「蛇の祠」
smailmyさんの投稿
(原文のまま)


私が小学4年生位に、近所にある寺院に遊びに行きました。

この寺院は広く、以前は沼があったそうですが、今は水がなく、
真ん中に島があり、蛇を祀った祠があります。

道はしっかりとしており、沼の真ん中の島へ行くには、赤い橋が掛っています。

沼の元々底だった所は
一面多くの落ち葉があってカブト虫の幼虫が捕れたので、
少し大きめのスコップを持って幼虫を掘り出しに行きました。

祠にはあまり来る方がいないので、
俺の秘密の場所だ、などと思い、鼻歌交じりで行きました。

祠の中を覗きましたが、祠のドアは閉まっていました。

沼があった場所へ移動し、
落ち葉の中をスコップで掻き混ぜましたが、なかなか出てきません。

落ち葉の中から急にガサガサと音がしたら、
何と80cm位のあおだいしょうが飛び出てきたので、
びっくりしてお尻を濡れた地面に着いてしまいました。

「この野郎〜」

と怒り、
スコップで蛇の頭を切り落とし、怒りは治まらず胴体を切り落としました。

いい気味だなどと思いましたが、何か寒気がしました。

幼虫を捕る事を忘れてしまい、
帰ろうと思い何故か祠に行き中を覗きました。

先程はドア(戸)が締まっていたのに、
開いていて中に祭ってある赤い色をした蛇が此方を見ているような感じがしました。

『閉まってたはずなのに、だれも来ていないのに変だな。』

と呟いたら、
首と胴体を2つに切った蛇が目に入り、
まだニョロニョロ動いてもがき、その内ビリビリと痺れているいている姿が見えました。

何故か1回祠に合掌し、スコップも放り出して家に帰りました。

家に帰りお風呂に入ろうとスッポンポンになった私の体を母が見て、
いきなり

『何その傷』

と大騒ぎをしました。

鏡で確認しましたが、
首を切ったような赤い傷が首一周に付いており、
腰の辺りにも腰を一周切ったような赤い傷が着いていました。

お婆さんに事情を話すと、

「こんな罰当たりはいないし、お酒でも持っていて清めてきなさい」

などと言われ、
次の日、母と寺院へ行きました。

母は翌日私を連れて寺院に行き、
祠に白いおちょこを持ってきて、お酒を注ぎ祈りつつ殆ど関心の無い私の頭を無理やりさげさせました。

周りを見回しましたが、
蛇の死骸もなく、私のスコップもありませんでした。