「足じゃない」
a-3000000000・・・・の投稿

僕が学生の時体験した話です。
部活の合宿であるお寺に行きました。
昼間は練習・・・・それも、そうとうハードな練習でした。

そして・・・、夜。

夕飯を食べて、そうこうしているうちに、消灯時間になりました。
みんな布団に入り、静かになります。
僕は一番ふすま側にねていました。
ふすまの向こうはろうかです。

そして僕はある音に気付いたんです。
パタパタパタと廊下を走る音が聞こえるんです。
その時は気にかけませんでしたが、すぐおかしいなと思いました。

他の部屋に用があるならすぐ部屋に入るはずです。
廊下も走ったら、すぐに走りきってしまうぐらいの距離です。
どうも足音は、廊下の端から端を往復してるんです。
僕はちょっと不思議におもいました。

廊下と部屋の間のふすまは、上と下の部分がガラスで、
真ん中の部分が障子になっているタイプだったので、
僕は、足をみてやろうと思って、
下のガラスの部分から廊下を覗きました。

バタバタバタ・・・・足音が近づいてきます。
そして、僕の部屋の前に、足音が・・・・・・・

「うわぁー!!」

足なんかないんです。
音だけなんです。
バタバタバタという音だけが廊下を往復してるんです。

僕は恐くなって、布団をかぶりました。
そしてそうこうしているうちに寝てしまいました。

翌朝、
「昨日の音なんだ?」・・・・と言ったのは、僕じゃありませんでした。

そうなんです。
僕だけじゃなく、みんなに聞こえていたんです。
僕は言いました。
「下のガラスから見たけど、足なかったぜ。」って。

すると、今まで黙ってた奴がいきなり喋りだしました。
「俺見た…見たよ・・・・。」

「どういう足だったんだ!?」・・・みんな聞きました。

でもそいつは首をふって、
上のガラスの部分を指さしてこう言ったんです。

「足じゃない。 でっかい婆さんが、こっちを見てたんだ」