「あの感覚」
めるへんさんの投稿
(原文のまま)


イロイロと大変だった以前住んでいた部屋のことを
ようやく書ける気持ちの余裕が出来ました

会社の転勤で、指定された借り上げ社宅のマンション

今から思えば、あれもそうだったのかと解りますが、
本人が気づくのはずっと後のことなのはいつものこと (^^;;

入居の為、周辺までやってきたのですが、
肝心の建物が何故か見つかりません

以前住んでいた街に程近かったということもあって
大体の場所だけ頭に入れて、
行けば解るだろうと油断しただけと思いたいです

不思議なことに500m四方をいったりきたり
目的のマンションにたどり着いたのは
一時間近い時間が過ぎた後でした

管理している不動産屋は近所。
早速伺って鍵を受け取り部屋に向かいます

階段を上り部屋の前に立つとなにやら嫌〜な空気が漂ってます

その頃は、まだ何も知らなかったので深く考えはしませんでした・・・

荷物も届き、
とりあえずの荷解きをして二、三日を過ごしました

最初の異変はユニットバスで起こりました

照明の点きが異様に悪く、球切れか?とも思いましたが、
何回か入り切りを繰り返すと点いてくれるので
単なる接触不良?と片付けました

そして中に入ると、妙に暗いのです。湯船の底を覗いても、
闇に包まれたようで何も見えない錯覚を起こしそうな感覚でした

何も知らないというのはある意味、恐ろしいことです
電球のワット数を上げればいいや、と片付けたのでした

そして入居して二日目だったでしょうか

シャワーを浴びて体をタオルで拭いていると、
突然凄まじい悪臭に包まれました

とっとと拭いて出ようと思ったのですが
それすら許さない強烈な臭いに思わず廊下に飛び出ました

とりあえず廊下で体を拭いて、タオルを干して、
風呂場に戻ると相変わらず強烈な臭いは充満したまま

下水の臭いが上がってきたか?と思いそのまま放置
朝には臭いはなくなっていました

#今だから解りますが、強烈な獣臭さ・・・あれがそうなのですね

それからというもの、
風呂場は異空間のような感じで、
とにかく居心地の悪さというかなにやら怪しい気配はあると、
時々換気扇の排気口から茶色い水は滴り落ちてくるしで
とにかく居心地の悪さは最悪でした

しばらく経つと、それは部屋全体にも感じられるようになり
ラップ音も頻繁に聞こえるようになっていました

部屋干ししていた洗濯物も妙に乾きが遅く
なにより変だと思ったのが、
真冬の異常乾燥注意報が出ているような日中でも
一時間以上、掃き出し窓を全開にして換気しても
部屋の湿度計の針が70%を切らないのです

そして、体調にも異変は出ました

食欲はあるのに
吐き気が酷くてカップラーメンを食べるのに30分近く掛かったり
手足の先に力が入らなくなって
酷いときにはペンで字も書けなかったりしました

そんなこんなで、しばらく経った後、
知人の紹介で霊媒師さんに見てもらったり
神社にお参りをするようになったりして、ある程度収まり、
日常生活は普通に過ごせるようになりました

そして、いよいよ
その部屋を出ることになった前日
隣人の同じ会社の同僚を呼び、
ビールでも呑もうと招き入れたのですが・・・

「この部屋、内装が妙にキレイですよね」

・・・が、第一声でした(^^;

半年程して、
たまたま当該の不動産屋を訪ねることがあったのですが
聞いてみると、その部屋は、空室のままだそうでした

不動産屋には気がついてすぐに一部始終の説明はしてありました

その後、引越しをしたある物件
入居する部屋の戸を初めて開けたその瞬間
(このときは外観を見た時から)嫌な感覚を感じました

案の定・・・な部屋でしたが、
この時はある程度身を守る術を持っていたのでなんとか耐え切り
そこを脱出して今に至っています