「牧場にて」
りゅーきさんの投稿
(原文のまま)


はじめまして、
momoさん毎月ドキドキしながら読ませて貰っています。

今回は数年住んでいた北海道での体験を送らせて貰います。

北海道は言わずと知れた酪農の、そして馬産地でもあります。

昔から馬が好きで
親元を飛び出し馬の事を住み込みで学ぶ研修所に入り、
その時に体験した事です。

夏のある日、
建物(厩舎)の窓から頭を出して遠くを見つめている馬が居ました。
そこには茶色の馬が何時もいる場所(馬房)でしたが、
色が違い栗色でした。

少しの間
目が逸らせず見ていましたが、
人の声が聞こえ視線を外したら居なくなっていました。

その時
全ての馬を外に出しているので1頭もいるはずはなかったのです。

それから数週間たった頃、
全ての馬が部屋で休んでいる時のこと。

馬のいる厩舎は
中央の通路を挟み、向かいあう様にして個々の部屋があります。

その時
時間を持て余していて馬を見て歩いていると、
少し離れた通路の中心に馬の脚が見えました。
一瞬、

「何で出ているの?」

・・・と、
呑気に考えていると、ふぅーと消えて行きました。

床はコンクリートでできていて、
馬が歩けば

“パカッパカッ”

・・・と大きな音が響くので、
音も無く移動できるわけがないのですし・・・、

思い返せば膝から上がありませんでした。

どっちも怖いと思う事はなかったです。

馬は人の都合で生れてくる経済動物です。
死んでも自由になれないのか思うと、切なさが込み上げてきました。

それとも
人の事が大好きでもう少しここにいようと思ってくれたのかな。