N県のホテルR @
ぴょん@静岡さんの投稿です。
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


高校の修学旅行での出来事なんですが…

修学旅行先はN県がメインでした。

一泊目に宿泊したホテルで、
夕食を終え皆でお風呂に入り消灯時間になりましたが、
直ぐに眠る訳も無く、布団に入り雑談をしていました。

暫くすると
先生達の巡回で、「スラスラ」と外戸が開く音がします。

音がする度に皆、寝たふり」をしていたのですが、
一人、二人と寝入ってしまい、とうとう私だけが起きている状態に…

今、思えば変なのですが、
私は非常に疲れやすい体質で乗物に乗ってても
倒込むように寝入ってしまうんです。

なのに、
この日は、目を閉じても眠れずに寝返りを繰り返すばかり。
時計を見ると午前一時を過ぎていました。

「スラスラ」と外戸が開く音がするので

「先生達も大変だなぁ、こんな時間も巡回するんだぁ。」

・・・と思っていると、
内戸手前にある洗面所でタオルを洗っているような
「バシャッバシャッ」と音がします。

「? 先生? 何でここでタオルなんか洗っているんだろう?」

・・・と思ったのですが、
見に行く訳にもいかず寝たふりをしていました。

「スラスラ」「バシャッバシャッ」

「スラスラ」「バシャッバシャッ」

「スラスラ」「バシャッバシャッ」


私、気が付いたのです。

「スラスラ」と外戸を開ける音はするのですが、
閉める音が全くしていない事に・・・

薄い内戸を通して伝わってくる気配は
50代半ばで小太りの女性でタオルを洗っているのではなく、
タオルを冷やしている様子。

怖くなって、

「聞こえない!何も聞こえない!」

・・・と、頭から布団をかぶりましたが、

「スラスラ」「バシャッバシャッ」

「スラスラ」「バシャッバシャッ」

「スラスラ」「バシャッバシャッ」

朝まで音が止まる事はありませんでした。

起床の時間になり、
何気なく窓の障子を開けると、眼下には一面のお墓が・・・