「デリヘル嬢 他一篇」
カツ@三重さんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


「デリヘル嬢」

私は個人的に親しいデリヘル嬢(以降Y嬢とします)がいるのですが、
そのY嬢から聞いた話しです。

仕事柄色々なラブホに行くY嬢なのですが、
自身のブログに載せる写真を、男性客に撮影してもらってました。
ある時、
津市高茶屋にあるラブホif(名前は適当に変えてください)で、
いつものようにブログ用の写真を撮影してもらったそうです。

撮影した写真を見た男性客は、

「うわっ!」

・・・と、驚きの声を上げたそうです。

何事かとY嬢がその写真を見たところ、
彼女の背後の鏡の中の柱の影から彼女を見つめる女性の姿が写っていたそうです。

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「気配」

今から二十数年前、高校2年生の夏休み
鳥羽市にある某観光ホテルでアルバイトをしていた時のことです。

海岸の監視が仕事の内容だったのですが、
ある日、館内のアルバイトが急遽1人休みとなったので、
応援に行きました。

その日は
海水浴客が非常に少なく、お昼頃は一組の家族がいるだけでした。
あまりにも暇なので、
アイスクリームの冷蔵庫にできた氷柱を折って遊んでおりました。

その時、背後から鋭い殺気を感じました。
ゾクっとして心臓が早鐘のようになりました。
周りを見ても、誰もいません。
冷蔵庫の置いてある小屋の外を見ても誰もいません。

いるのは先ほどの家族連れがいるだけです。
気のせいだろうと思い、私は再び氷柱を折って遊び始めました。

1分もしないうちに再び鋭い殺気が。
真夏なのに全身鳥肌が立ち、自分の周りだけ一気に気温が下がったようでした。
その後
氷柱折の遊びを止め、
太陽の当たる場所に移動して残りの時間を過ごしました。

数日後、ホテルの専務からこんな話しを聞きました。
数日前、アルバイト先のホテルから程近いイルカ島の海水浴場で、
小学生の男の子が溺れ死んだそうです。

その時間は、そう、私が鋭い殺気を感じた時間だったのです。

亡くなった少年の怨念なのか、少年を連れ去った死神の気配なのか。
あそこまでの強烈な殺気を感じたのは、後にも先にもあの時だけです。