「霊感ありません!」
横浜のナルの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


霊感が全く無い横浜のナルです。
先だって大阪に出張した時に泊まった心斎橋のHホテルで、
普段と全く違う空気を経験したんです。

実は、私は、
このホテルは名前が変わる前のSホテルの頃からずっと利用していて、
これまでは、一度もそのような体験をした事はなかったんですが・・・


その日、私が通されたのは、
Hホテルの本館の六階、窓のないシングルルーム。

窓のない部屋というと不気味な感じもしますが、
繁華街の近いホテルの場合、外の喧騒から遮断されるので、
落ち着けるという利点もあるんです。


夕食は得意先の方々と共にイタリア料理。
まっ、
夕食と云っても、半分は仕事の延長のようなものですが、
無事にというか、滞りなく会食も終了。

翌日に一緒に出張してきた同僚と阪神競馬を楽しむ約束をして、
早々と、お互いの部屋に引き揚げたんです。

部屋に戻って、軽くシャワーを使い、
ベッドに入った・・・・次の瞬間、

キィーン!

という音がして・・・
いえ、実際に音がしたと云う訳ではなく
そういう空気の凍るような音が、
耳の鼓膜に伝わるというか感じたんです。

まさに、
一瞬のうちに、部屋の空気が変わったんです。
空気の流れ、チリひとつの動きさえ感じる、異様な空間・・・

そして、
私は、ハッキリと感じたんです。

ベッドとテーブルの間に誰かが座り込んで、私をジッと見ているのを。
ベッドの横に立った誰かが、私の顔を見下ろしているのを。

見えたわけではありません。
でも、感じるんです。

気配なんて、曖昧なものではなく、
ハッキリとそこにいるんです。

私は、枕元の電気のスイッチを入れ、灯りとテレビをつけました。
部屋は明るくなり、テレビの音声も部屋に響くのですが、
部屋の空気は全く変わらないんです。
依然として、
誰かが座り込んでいて、誰かがベッドの横に立っているんです。

ただし、見えてはいません。
灯りを点けても見えないんです。

でも、いる・・・確かにいるんです。

恐ろしさの余り、身動きすら取れないでいると、
数十分後、
2人は部屋の出口に向かって歩いていき、
そのままドアの向こうに消えていきました。

結局、私には何にも見えませんでしたが、
霊感が無い私にはMAXな体験でした。

たぶん、
見える人には見えたんでしょうね・・・・私は、見たくないけど。