「ハイキング」
yorikoさんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


この体験は20年も前の事ですが、
今だに忘れることは出来ません。
私たち親子4人で、
W県のKという所に遊びに行った時の出来事です。

そこは、山腹を利用した大きな遊園地になっていて、
山頂へのハイキングコースも併設しています。

ハイキングコースは迷わない様に山頂まで一本道で、
子供でも気軽に歩ける勾配、
時間にして約30分と適度に設計されています。

頂上はかなり広めの運動広場(?)になっていて、
子供が喜ぶような遊具(簡単なアスレチック、ジャングルジム等々)も
設置されています。

私達親子が頂上に着いたのは、お昼過ぎ。
運動広場(?)には、
幾つかの高校〜大学生風のグループと一組の家族がいました。
それぞれ、走り回ったり、ボール遊びしたり、遊具を楽しんだり・・・。

特に、
ご家族連れ(両親と小学生位の姉と3歳位の妹)のお嬢さん2人は、
よほど嬉しいのか、遊具で大はしゃぎしています。

私達親子は、
少し静かな所・・・広場から少し下りた所でお弁当を広げる事にしました。
(ベンチ、テーブルあって、景色が結構良いのです。)

私達がお弁当を広げている間に、
運動広場で遊んでいた学生グループが次々と下山していきます。
程なく、
運動広場から、お嬢さん2人のはしゃぎ声も聞こえなくなりました。

妻  「さっきの女の子達、はしゃぎ疲れて寝ちゃったのかしら?」
私  「だろうな。 あれだけ騒げば、子供でも疲れるよ。」

お弁当が終わると、私達の子供2人も
 
子供達「パパ、ママ、私達も遊んできていい?」
私   「いいよ。 
     パパもママも片付けたら、すぐに行くから、先に行っといで」

子供達は、
私の話が終わるのも待たず、運動広場へ駆けあがっていきます。
数分後、
私と妻が広場に行くと、
先程の家族連れの姿はなく、私達の子供だけしかいないのです。

ハイキングコースは一本道、
私達がお弁当を広げていた場所の前を通らなければ下山できません。

「そ、そんな・・・」

念のため、
運動広場の外周を見て廻ったのですが、
グルリと雑木林で、下山できる道らしき道は全くありません。
まさか、
小さな女の子2人を連れて、
雑木林をかき分けて下山するなんて考えられません。

妻  「パパ・・・さっきの家族連れ・・・?」
私  「帰るぞ! すぐ!」

私達夫婦は、
遊び足りない子供達をせきたて、運動広場を飛び出しました。

ハイキングコースを20m程下った時、
運動広場から女の子のはしゃぐ声が聞こえてきました。
びっくりして振り向くと、運動広場に4人の人影が・・・。

私達夫婦は、子供を抱いてハイキングコースを駆けおりました。
この怪奇現象に震えながら・・・。