「友人M」
加藤@会社員さんの投稿
 (投稿原稿を参考にMoMoが再構成しました)


8年程前、
友人Mが自殺した日から7日目の深夜1時過の事。

僕の1歳の末娘が、
いきなり、大人の男性のような声で叫びだしたんです。

「落ちるぅ〜・・・落ちて行くよぉ〜・・・」

娘はやっと「パパァ」とか「ママァ」と言えるようになったばかりでした。 
友人Mは橋からの飛び降り自殺でした。

その後、
Mが死んで一月半程経った頃だったと思います。

その夜、 
僕は、不思議な夢を見たんです。
いえ、
夢とはとても思えないような現実的な感覚に満たされていました。

僕は、何もない・・・無限の空間に立ち尽くしていました。

目の前には
まっ白い、子供の身長ほどの扉が一つ。

扉を開け、
屈みながら中に入ってみると円筒形の部屋。

らせん階段のように
フロアがらせん状にズゥーと上から下まで無限のように続いています。

そして、
らせんの円周側が、
やはりらせん状のテーブルになっていて、
フロアと同様にズゥーと下まで続いています。

テーブルの前には等間隔に椅子があって、
うつむいた人達が座っていました。
老人〜若者、子供達もいます。
その全ての人達が、一言も話さず、ただただ下を向いて座っているんです。

「何をしているんだ?」

・・・と、
様子を見ていると
皆が、一分間隔位で、一つ下側の椅子に移動しています。

「何かの順番を待っているのか?」

僕は、
その様子を見ながら、
らせん状のフロアを下に降りていきました。

どれ位、フロアを下ったでしょうか・・・

誰かが、
僕の右腕を強く掴んだんです。
ビックリして、その人物を見ると、友人のMでした。

「これ以上、下には行くな!」

次の瞬間、
僕は目を覚ましたのですが、
右腕にはしっかりと手の型がついていました。