「アパート」
Takaさんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


旅行の話ではありませんが、
私が学生時代に住んでいた平屋のアパートの話です。

そのアパートは駅や大学から近いにも関わらず、
相場よりもずぅ〜っと安く、
また敷金や礼金(保証金?)もいっさい必要でなかったため、
貧乏学生のた私は思わず飛びついたんです。

契約の時、大家さんが

「最近の若い人はこらえ性がないというのか、何と言うのか、
 直ぐに解約しちゃって、なかなか居つかないんでね、困っちゃうよ〜」

と言うので、

「何でだろ? こんなに場所も良くて安いのに??」

・・・なんて
思ったのですが、住み始めてビックリ。

建物に入るなり、ヒヤッとするくらい寒し、
秋から春にかけて水道の水が凍ってしまう事もしばしば。

とは言っても、
ここは、東北とか北海道じゃなくて関西。
しかも、関西の中でも比較的温かい地域なんです。

ですから、
最初はどうして水がでないのか訳が分からず、
大家さんを呼んだところ、

「どうしてか解らないんだけど、この家の水道だけ凍るんだよね。
 日当たりも悪くなし、ご近所でもそういう話は聞いたことないのにね。」

大家さんは、
このアパートの北側隣の一軒家に住んでいましたが、
大家さんの家の水道は今まで凍った事など一度もないと言うのです。

実際、
暖かい日でも、アパートの中だけ寒い・・というか気温が低いんです。

また、
そのアパートは少し変わっていて、
押入れの中は天井がなかったんです。
見上げてみても、そこは真っ暗。
屋根裏のホコリとか落ちてくるじゃないか・・・とも思ったのですが、
まぁ、安いから仕方がないのかな・・・って。

ある時、
押入れに入れた本をあさっていると
押入れの天井(実際には闇の空間)から視線を感じたんです。
私は怖くて、見上げる勇気がなくて、
そのまま、ソォ〜と押入れの戸を閉めました

その時からです。
押入れが勝手に開くようになったんです。
閉めても閉めても、
目を離した隙に・・・というか、気がつけば開いているんです。

大家さんに話をしても、何かはぐらかす感じだし、
建付けが悪いだけ?
それとも、まさか、霊??

そして、ついには
夜中に「ドン!」・・・と大きな音がして押入れが開くようになり、
以来、押入れにつっかえ棒をかませるようにしたんですが、
その後も、時々、つっかえ棒が倒れ、押入れが開く事も・・・

その他にも
トイレに入っているときに鍵が目の前で閉まったり、
コンセントをいれていないのにドライヤーが動き出したり・・・

でも、
慣れというものはエライもので、
結局、四年間、そのアパートに住み続けました。
まぁ、
実際に実物の霊を目にしたわけではなかったので、
我慢できたんだと思います。
霊感がなくて本当に良かったです。