「卒塔婆」
alfabreraさんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


私は大分県の九重山が好きでよく登ってます。
その日も一人でテクテクと登ってました。

ちょっと小用を足したくなったので、横の藪の小路入ったところ、
お墓に立ててあるようなお札(卒塔婆)がポツンっと立っていました。

それは
山が好きな女性が亡くなって供養の為に立ててあるようでした。
裏には、
「あなたは山を愛し人を愛したすばらしい41年・・・」と書いてました。
文面から、
看護士さんらしいことが分かります。

小用のために藪に入ったとはいえ、
まさか卒塔婆の近くで用を足すわけにもいかず、
私は、卒塔婆に手を合わせて、その場を立ち去りました。
(もちろん、小用は別の場所でたしましたが。)

数日後のことです。
夜明け前、4時を少し過ぎた頃、
私は何とも言えない寝苦しさに目を覚ましたんです。

部屋に風でも入れようと襖を開けてみると、
ヌルヌルしたような風・・・?
いや、気配のようなモノが、私の頬の横を通り抜けたんです。

その異質な感覚に、
私はますます寝付けなったんです。

とはいっても、
こういう時間ですから、これと言ってする事もなく、
買ったばかりのデジカメを取り出して、
部屋中のアチコチを写し始めたんです。
操作方法を覚えるのにもちょうどイイし・・・。

何枚か撮っては画面で確認、また撮っては確認。
そうこうしているうちに奇妙な写真が・・・

部屋干ししていたジーンズに、
後ろを向いた和服の女性が浮かび上がっていたんです。
髪型は一昔前に流行った松田聖子のような髪型。

もちろん、
写真を撮った時にはそんなものは見えませんでした。

私は恐ろしくなって、部屋から飛び出し家族のいる母屋に行きました。
そこで今一度カメラを確認したら和服でなくて・・・・・看護師の服でした。