「墓の写真」 
ハトぽっぽさんの投稿


これは、
今から15年程前に山口県に住んでいた頃の話です。

夏の日、
私は岩特線に乗って、あるお寺へ行つたんです。
そこは明治維新の頃、
高杉晋作等が農民や一般人を兵隊にするために
訓練をしていたと伝えられるお寺です。

お寺には小さな木造の資料館があって、
当時の書状や鉄砲等が陳列してありました。

訓練は大変厳しかったようで、
耐えきれず脱走する者が後を絶たなかったそうです。
そして、脱走者は捕まると処刑されたそうです。
その証拠に
資料館の近くに処刑された人達の多くの墓が・・・
お世話する人もいないのか
草はぼうぼう生え放題、小さな墓石も崩れて石ころの様に・・・

私はそれを見た時、不謹慎にも

『これはヒドイ。 でも、ここなら心霊写真が撮れるかも・・
 うまく写ってたら、友達に自慢できるぞ!!』

・・・と思い、
様々な角度から
20枚以上の写真を撮ったんです。
当時、
世の中は心霊ブームで盛り上がってたんですね。

でも、
現像に出し渡された写真をみてびっくり!
墓を映った写真が1枚もなかったんです。

というより、
写真から墓だけが消えているというか
墓が透明になったようにその後ろの風景が写っているんです。

もちろん、
墓を撮る前後に撮影した
資料館や山門等は全てきれいに写っていました。

友達に見せて自慢する気にはとてもなれず、
心霊写真について書かれている本をすぐ買ってきて
そこに書いてある通りに、全部燃やし塩でもんで川に流しました。

それ以来、
そういったものには、カメラを向けないようにしています。