「凍りついた人形」
ペコさんの投稿


大学サボりの常習犯であるペコです。
霊感の強い先輩の怖くて悲しい体験談です。

ある神戸の遊園地(想像つきそうですね…)に、
氷河期(?)を体験できるという変なアトラクションがあるらしいんです。

とにかく、
すっごく寒いらしいんだけど・・・

「今、冬だし・・・ホントの寒さってのも味わってみるか」

・・・って
その先輩は入ったんだそうです。
中には、
その寒さで凍死した人の人形が、たっくさん所狭しとあったらしいです。

「ただ寒いだけじゃなくて、お化け屋敷みたいになってるんだ?!」

先輩が言うには、
その人形が妙にリアルだったらしいんですよ。

薄紫で氷ってパリパリになった唇。
カチコチに凍った皮膚は真っ白で、
ある人形は、右腕が肩からそのまま床に落ちてたりして・・、
でも、傷口が凍ってて血も付いてない。
でも、
どれも眼はくっきりと見開いてて、ずっとこっちを睨んでいるようで・・・

その気味の悪い人形に釘付けになっていた先輩は、
ふち、あることに気付いたそうなんです。

あの人形・・・

口が一瞬、動いた??
氷が上唇からパラパラと落ちていく・・・。

眼も微かに動いている?

先輩はその人形から目が離せません。
すると、

「た・す・け・て・・・」

・・・って小さな声が

先輩は、
ビックリして、すぐに外に飛び出して、
係りの人に今見た出来事を話したんです。

「本物の人が入ってる!! まだ生きてる。
 人形じゃなくて・・・人形の中に本物の人が混じってる!!!」

でも、
係りの人は・・・

「この中に人形なんて入ってませんよ??」

そんな馬鹿な・・・
先輩は、後から出てきた人の何人かに

「この中に、人形はありましたか?」

・・・と、尋ねたそうですが、誰も人形など見ていなかったんです。

それから数日後、
先輩は、ある登山チームが遭難したというニュースを見たそうです。
そして、
その登山チームのメンバーは、
あのアトラクションの中にいた人形達とソックリだったそうです。

どうして、
あのアトラクションの中で、先輩の前に現われたのかは解りません。