「開けられない」
みみさんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


こんにちは、
現在、
父親の仕事の都合でイギリスに住んでいる17歳のみみです。
はじめまして。

私は元々は霊感が強いのか
日本にいた時から何回も不思議な経験をしています。
これは、
私が両親と祖母の4人で
横浜の有名な女神が埋め込んであるホテルに泊まった時の話です。
(この話ではホテルは全く関係ないと思います)

その日の日中は横浜観光。
中華街をはじめ色々な観光スポットを廻りました。
もちろん、
霊的なものなど感じない、楽しいものでした。

夕刻、ホテルに着いても、
通された部屋はとても広くて清潔で快適。
霊的なものの存在など考えられもしない部屋でした。

私達は、
お風呂にゆったりと入った後、
食べきれない様な贅沢の食事を部屋で頂いて大満足!
お腹が一杯になると
昼間の観光の疲れもあって、早々と寝ることにしたんです。
3部屋あったうちの和室の部屋に布団をひいて・・・。

そうは言っても、
私はなかなか寝付けずに、
お昼にコンビニで買った雑誌を、
テレビと窓から入るわずかな光を頼りに布団の中で読んでたんです。

「そろそろ、眠たくなってきたな」

・・・そう思ってケータイを見ると、
すでに深夜1時半を過ぎていました。

「わっ、早く寝ないと、明日が大変だ」

しかし、
寝なくっちゃ、寝なくっちゃ・・と思えば思うほど
逆に眠れなくなるもので、

「困ったなぁ〜、逆に目がさえちっやたみたい」

すると、突然、
廊下の向こうから、
不思議な音が聞こえてきました。

ブゥ〜・・・ン、グォ〜・・・

「食事した部屋から? 冷蔵庫の音?」

そして、
その次には、
飲み物の缶のフタを上手く開けられなくて、
指先(爪先)で一生懸命引っかいているような
カチッ、カチッ・・・・といった音が響きだしたんです。

「何、この音? 
 冷蔵庫壊れてるのかな?
 まさか、爆発とかしないわよね?」

・・・なんて考えていると
今度は、
人の足音が聞こえてきたんです。

その足音は、
食事をした部屋の中をウロウロと歩いているようで、
足音と一緒にカチッ、カチッ・・・という音も移動しています。


その足音は廊下に出ると、
ゆっくりと、もう一つの部屋に入って行きました。

カチッ、カチッ・・・

ひとしきり、
隣の部屋を歩いたかと思うと
足音はまた廊下に出て、私達の寝ている部屋の前に・・・

私は気を失ってしまったのか、
気がついた時には朝になっていました。

父母も祖母も
昨夜の出来事には全く気が付いていなかったようで、
特に何事も無かったように、朝食を部屋で食べ、帰る支度をしています。

私は、
帰りの車の中で、昨夜、は起こった事の全てを話しました。
すると…。

「おじいちゃんだ! おじいちゃんが来ていたんだ!」

・・・と叫んだんです。

祖母の話によると、
祖父は生前
夜中の2時頃になると、急に起き出して
「あぁ〜、のどが渇いた」
・・って缶ビールを飲んでいたそうなんです。
指が太くて爪が短い祖父は
缶を開けるのが苦手で、いつも
「カチッ、カチッ・・・」
結局
祖母がその音に目を覚まして、缶を開けていたとそうです

祖父が亡くなった3ヶ月後、暖かな春の日の出来事でした。