「修学旅行」
ニャンコ@バスガイドさんの投稿です。
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


私が入社して間もない頃
沖縄からの修旅(中学生)を走った時の話です。

修旅等の学校の旅行の際の人員確認は
班ごとに各班長が確認し先生に報告する場合と
私達ガイドが確認する場合があるのですが 、
その時の学校は、
私達ガイドが人員確認をしなければいけないパターンでした。

私の担当したクラス(バス)は37名と聞いていたのですが、
空港を出発する時に確認をしたら38名いたんです。

「おっかしいなぁ〜?」

でも、
もう一回確認しても、やはり38名?!

他のクラス(バス)は全号車確認が取れていて、
発車準備OKサインのハザードをつけてます。
でも、
私のクラスは何度数えても38名。
クラス担任の先生にも手伝ってもらったんですが、
やっぱり一人多いんです。

そうこうしているうちに
チーフ添乗員が先導車から様子を見にきて

「どうしたの?」
「一人生徒さんが多いんです。」
「少ないんなら大変だけど、多いのは良いよ。時間ないから出発するよ」
「あっ、はい・・・。」(いいの?ホントに)

しかし、
次の観光地も、その次の観光地も、一人多いまま。
でも、
不思議な事に添乗員が確認すると37名ピッタリなんです。
私やクラス担任の先生が確認すると38名なのに・・・??

こんな不思議な旅も3日目が終わり、ついに最終日。
空港アウト前に最後のショッピングにドライブインに立ち寄った際、
私はバスのシートに腰掛け休憩をしていると、
クラス担任の先生が一人で戻ってこられ、

「4日間お世話になりました。
 お陰さまで楽しい旅行になって、子供達も大喜びでした。
 あのぉ〜、
 お話しようかどうか迷ったのですが、
 人数がいつも1人多かった件なんですが・・・、
 実は、
 修学旅行の3日前にクラスの男子生徒が一人・・・・・、
 事故で亡くなったんですよ。
 今回の旅行をとても楽しみにしてたので・・・・
 一緒についてきてたんですね。
 子供達の何人かも彼に気付いてたみたいですし・・・。」

「えっ、そんな・・・」

一体、どの少年だったのでしょうか・・・・