「チャイム」
リング3さんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


10年前
私の従弟が自宅のマンションで体験した話です。

高校生になった今の従弟には霊感はないようですが、
10年前位までは色々と感じていたんです。

ある日のこと、
従兄弟が1人で留守番をしていると

「ピンポーン」

・・・と
玄関チャイムがなったんです。
従兄弟が玄関を開けてみると、
5〜6歳くらいの女の子が従弟を見ていたそうです。

「誰?」

・・・と
従弟が尋ねたのですが
女の子は何も答えず、泣きそうな顔をしながら従弟に近づいてくると、
従弟の身体をフッ・・・と通り抜けて、
そのまま消えてしまったというのです。

その夜、
従弟は母親に女の子の事を話ましたが信じてもらえなかったそうです。

そして、
その日の深夜、
従弟がなかなか寝付けないでいると玄関のチャイムが鳴ったんです。
従兄弟は「こんな時間に誰かな?」と思い玄関に向かいました。

玄関へ向かう途中、
何気なくリビングを覗くと
ソファに父親と同年齢の男性が向こう向きに座っていたそうです。

「誰?」

男は何も答えません

「誰!!」

チャイムの音と私の声に母親も起きてきました。
そして、
リビングの見知らぬ男性を見つけると、すぐに父親を呼び

「ど・・どちら様ですか? 人の家に勝手に・・」

すると
男性はゆっくりと3人の方を振り返り・・・振り返り・・・
なんと、
そのまま・・・180度回転して、
もの凄い形相で3人を睨んだかと思うと、
フッ・・・と揺れて霞のように消えていったのです。

後で分かったそうなんですが、
昔、
そのマンション付近で男性が首を曲げられて殺され、
その男性のお嬢さんが行方不明になるという事件があったそうです。