「動物霊(恨み?)」
たきさんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


20年程前、私が小学校3年or4年生の夏休みの出来事です。
私は従兄と一緒に叔父の郷里である茨城へ遊びに行きました。

ある日の昼食の後、
私が特にする事もなくゴロゴロしていると、

「たき! コンビニに行こう!」

と従兄と声を掛けてきたので、一緒に行く事にしたんです。
今でこそコンビニといえば、
どんな町でも5〜10分も歩けば見つかるもんですが
当時は、叔父の実家からはコンビにまでは約5km、
自転車で10分以上もかかりました。
私と従兄は自転車に二人乗りして、
田舎道を抜け、国道沿いをしばらく走っていると、
前方から一匹の犬がトボトボ歩いてきたんです。
犬は私達2人に気付くと立ち止まり
お腹でも空いているのか、もの欲しそうな目で私達が通り過ぎるのを
見ているのです。

「野良犬かなぁ〜」
「お腹空いてるのかなぁ〜」

・・等
私達は話をしながらも、特に気にとめる事もなく自転車を走らせました。
しばらくして、
コンビニに到着したのですが定休日
(当時のコンビニは定休日があったんですね)

「わざわざここまで来たのに〜」

・・・と
私達はガッカリしながら、
暑い日差しの中、同じ道を戻っていったんです。
そして、
来る時に犬とすれ違った辺りまで来た時、
自転車を運転していた従兄が、
自転車の速度を急に上げながら大きな声で叫んだんです。

「たき! 周りを見るな! 目を閉じろ!」

しかし、
見るなと言われると、逆に見たくなるのが人間ってなもんで、
私は思わず周りを見渡すと、
犬の胴体、足が大量の血と一緒に道路に飛び散っていたのです。
そして、
歩道の脇にある溝には犬の頭が転がっていて
先程と同じように
お腹でも空いているような、もの欲しそうな目で私達を見ていました。

その晩のことです。
私達2人は突然の高熱に寝込んでしまったんです。
深夜、
何時頃でしょうか、
私は犬の鳴き声に目を覚ましたんです。
最初は遠くで聞こえていたのですが、だんだんと声が近づいてきて、
ついには、窓のすぐ外から犬の声が聞こえてきたんです。
私が恐る恐る窓に目をやると、
白いカーテン越しに犬の影が動いています。

でも、
私が寝ている場所は2階、
それも窓の外にはベランダ等が無い、ただの壁になっているので
宙にでも浮かない限り、犬の影が映るなんて絶対にありえないんです。
私は怖くなり布団を被ってたんですが、
夜が明けるまで犬の鳴き声が続いてました。

翌朝
昨夜の私達2人の高熱はウソのように下がったので、
私は昨夜の体験を従兄に話したんです。
すると従兄は、

「俺の布団の周りを犬が一晩中歩いていた」・・・・と。

今思うと、
事故死した犬を見かけた時に、
せめて心の中だけでも、手を合わせておくべきでした。