「ビジネスホテル」
旅芸人さんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


はじめまして、
私はツアコンではないのですが出張が多い仕事なので
結構、日本中のビジネスホテルには泊まります。
すると
旅行業界の方ではないにしろ、
色々と不思議な体験をする事が少なくありません。

今回はその中に幾つかを紹介いたします。

1.大阪市 Hホテル
 深夜、
 「ブルブル・・・」
 という携帯の着信バイブのうなる音に目を覚ましたんです。
 「うん? 俺、バイブに設定してたっけ?」
 私はそう呟きながら携帯を手に取ったんです。
 「あれ?」
 携帯を手に取ってみると電源がオフになっているんです。
 実は、私の携帯電話は夜1時に電源をオフする設定してるんです。
 「???」
 時計を見ると深夜2時。
 「気のせいかな??」
 私は昼間の疲れから熟睡できずに何か別の音に反応したんだと思い
 また、布団をかぶりました。
 すると、また
 「ブルブル・・・」
 確かに・・・というか明らかに携帯のバイブの音です。
 もちろん、私の携帯ではありません。
 音のする方を恐る恐る見ると
 ユニットバスの扉が開いていて
 2つの眼だけが異様にギラギラと光る背の高い人影が
 ジィーと私のほうを見ていたのです。
 そして、人影の右手に携帯の着信の光が点滅していました。

2.千葉市 ホテルK
 このホテルはちょっと構造がかわっていて
 古い旅館と料亭に新館・結婚式場・チャペルを
 無理矢理に渡り廊下で付け足したような建物になっています。
 私が通された部屋も和室にユニットバスという変な構成。
 この日も熟睡していると
 隣の部屋から
 「シャー、シャー」というシャワーの音とともに、
 「ジャー」というトイレ流す音が何度も繰り返され、
 挙句の果ては
 ドアをバタバタと開閉する音が永遠と鳴り響いたのです。
 「うるさいなあ〜、何時だと思ってんだ!」
 ・・・と時計をみると午前4時。
 さすがに頭にきてフロントに電話をすると
 「4階のお客様は旅芸人様だけです」・・・・と。
 結局、水の音と扉の音は窓の外が明るくなり始めるまで続き
 私は一睡も出来ませんでした。