「首なし」
I・S@兵庫県19歳さんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)


随分昔の事になるんですが、
僕はK市にある公立の小学校に通っていました。
この小学校は、
小学校にしては随分と大きい体育館を持っていました。
この話は、
当時小学生だった僕がこの大きな体育館での体験した出来事です。

僕が小学3or4年生の時だったと思います。

体育の授業を終え教室に帰った僕は
体育館シューズを忘れてきた事に気づいたんです。
スグに取りに戻ろうかとも考えたんですが、
「今から体育館に戻ったら次の授業に遅れるやん」
・・・と
友人達の誰も一緒に体育館に行ってくれないので、
昼休みに取りに行くことにしたんです。

実は、
この体育館の入口(エントランス)から更衣室に向かう通路は、
一日中薄暗くて、どことなく気味が悪く、
とても一人で行こうとは思わないような雰囲気があったんです。

昼休み、
早々に給食を食べ終えると、
僕は友人と2人で体育館に向かったんです。
体育館に着くと
フロアでは上級生たちがバスケット等をしてにぎやかだったのですが、
更衣室への通路はやけにシーンとしています。
僕達は通路を通り抜け更衣室へ・・・シューズはすぐに見つかりました。

「あっ、あった、あった・・」

そう言いながら、
僕がシューズを手に取った瞬間
僕達2人は背筋にゾゾッと寒気が走るのを感じたんです。

「お・・おい、今の・・・」
「うん、すぐに戻らないと・・・」

僕達2人は更衣室から飛び出すと、
薄暗い通路を体育館の入口(エントランス)へと急いだんです。
そして、
後数歩で入口(エントランス)という所まで走ってきた時、
再び、背筋にゾゾッと寒気が走ったんです。
それも、
先程とは比べ物にならない位の寒気・・・というか、
身体が凍りつくかと思うほどの異様な感覚に襲われたんです。

僕達2人は余りのことに思わず振り返りました。
すると・・・そこには・・・

首の無い男が立っていて、
少しづつ、でも確実に、僕達のほうに近づいてくるんです。

「うわぁー!!」

僕達2人は
這うようにして必死で入口(エントランス)に逃げ込み、
そのまま体育館の外に飛び出しました。
体育館の外は、今まで自分達が違う世界にでもいたかと思うほど、
いつも通りのにぎやかさでした。

その後、
一年程経ってからだったと思いますが、
僕達は小学校の敷地の一部が、
その昔は処刑所だったという史実を知りました。

今も
小学校の前を通るときは気味が悪いです。