「冷たい腕」
童遊斎教授さんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


とある温泉旅館での弟の恐怖体験です。

去年、
家族4人で甲府の石和温泉に1泊2日の家族旅行に行ったんです。
宿泊先はインターネットで検索し予約を取った某温泉旅館。
泊まった部屋は大きく、4人だとちょっと広いな〜って感じの部屋。
部屋自体は僕や弟もさほど嫌な感じ(予感)はしませんでした。

夕食を部屋で済ませ、温泉にも入り満足したところで
12畳くらいある和室に
横一列に等間隔空けて家族全員分の布団を敷いてもらい、
12時過ぎには父と母は寝たのですが、
僕と弟の2人は深夜まで持ってきてたPS2で遊んでました。

午前3時頃でしょうか
さすがに眠くなった僕は弟を残し先に寝てしまいました。
弟も3時半頃に眠りに付いたそうです。
そして、
弟が眠り始めて30分位経った頃、ふと目が覚めたそうなんです。
その瞬間、
仰向けに寝ていた弟は何を思ったのか、目線が天井に置いたまま
ノールックで隣に寝ていた僕の腕をそっと掴んだそうなんです。
しかし、
その掴んだ僕の腕が異常に冷たかったらしく、

「ん?・・・何かおかしいぞ?」

・・・と思った弟が
徐々に目線を僕の方に向けていくと、
僕は弟に背を向けて横向きに寝ていたというのです。

「じゃ〜・・・今、俺が掴んでる腕は誰の腕だ?」

弟は恐くなり、
そぉ〜っと腕から手を離し、
ゆっくりと目線を天井に戻していったそうです。
そして、
最初に目が覚めた位置まで目線を戻した瞬間、

ずざざざぁ〜ッ!

・・・という何かが畳を擦る音と共に
弟の目の前に長い日本髪の女の顔がいきなりぬっと現れて

「一緒に遊ぼぉ〜よぉ〜」

・・・と言ったそうです
弟はそのまま気を失ってしまい、
気付いた時には朝で、部屋には家族の他誰もいなかったといいます。
当然、
僕は腕を掴まれた覚えもないし、
何より体勢的に弟が僕の腕を掴む事は不可能です。
弟が掴んだ腕は何だったのか?
そして
弟に「遊ぼぉ〜よぉ〜」と言った女性は何者だったのでしょうか?