「駐車場にて」
添乗員ヤエさんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)


この前のツアーでご一緒したドライバーさんが体験した
不思議な出来事(?)を紹介します。
それは、
全国的にも有名なある観光地で起こったんです。

その観光地では、
お客様に1時間〜2時間自由散策で景色を楽しんでもらった後
土産物などをお買物をして頂くのですが、
このように、
お客様がバスを降りて観光をしている時間というのは、
ドライバーさん達にとっては、ちょうど良い休憩時間だったりするんです。
ですから、
お客様が観光してる間
ほとんどのドライバーさんはバスの中で昼寝をしてたりします。

その日も
ドライバーの彼は待ち時間があったので昼寝をしていたそうです。
30分ばかり経った頃
数人の女性(オバサン)の声がバス近づいてきたのですが、
集合時間にはまだまだ時間があるし、
「バスのドアを開けて」・・・と声も掛けてこないので

「隣のバスのお客さんが戻ってきんだな」

・・・と、そのまま寝ていたそうです。

しかし、しばらくすると
バスの後部座席の方からオバサン達の話し声が聞こえてきたんです。
(何を話しているのかは分らなかったそうです)

バスのドアは開けていないので、
バスの中には誰も入ってこれないはず。
きっと
さっきのオバサン達が自分達のバスに戻らずに、
このバスの後ろで大声で話しているのにちがいない・・・・

「もう! 人がせっかく昼寝してるのに、大声でうるさいなぁ〜」

彼はそう呟きながら、そのまま目をつぶっていたそうです。

すると、
その話し声は後部座席の方から真ん中の席に移動したんです。
そして次は
その少し前の席・・・と運転席にドンドン近づいてきたのです。
ハッキリと数人の女性の気配がします。

「おい・・・おかしいぞ・・・この話し声・・・バスの中から聞こえる・・・
 それに・・・どんどん・・・どんどん俺のほうに近づいてくる・・・
 これは・・お客じゃ・・いや・・生きた人間じゃ・・・」

次の瞬間、
その話し声は彼の頭の上で聞こえてきたんです。

彼は
「このままだとどっかに連れて行かれる」
・・・と感じ、思い切って目を開けたそうです。

すると、
話し声は聞こえなくなり、人の気配も消えたそうです。