「聞いてくれ・・・」
Korai さんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)

2年前の冬のことです。
私は合宿で大型・牽引免許を取得するため、
大阪から岡山県・津山市近くにある自動車教習所に行きました。

寮となる建物は、
教習所から山の方へ15分ほど走ったところにあり、
一見ホテルのような外見でした。
ですが、
部屋には風呂はなく、最上階に大きな浴室がありました。

ここへ来て1週間ほどたった夜の事です。

深夜・・・何時頃だったでしょうか・・
誰かが私の布団の中に入ってきて、掛布団を引っ張るのです。

「う・・・うん・・誰や!?」

寝返りを打って横を見ると、
頭髪のないお爺さんと目が合ったんです。

「聞いてくれ・・話を聞いてくれ・・」

・・・と呟いているのです。

私は、寝とぼけていたのか、疲れが溜まっていたのか、
いわゆる恐怖というものは全く感じず、

「俺の布団を取るなよ、寒いやろ!」

・・・と、布団を引っ張ったんです。
すると、
お爺さんも布団を引っ張り返し、私も・・・と、
まるで綱引きの様に賭布団を引っ張り合ったんです。
何分位そうしていたのか、
フイにお爺さんは消えてしまったんです。

私は狐にでもつままれた様な不思議な感覚のまま、
また眠りについたんです。
私としては、「変な夢を見た」・・・程度にしか考えてなかったんです。

ところが、
後日、知人から驚くべき事実を聞くこととなったんです。
なんと、
その寮が昔は老人ホームだった・・・・というのです。

しかし・・私は霊感というものは無いと思っていますので、
夢だったのか、それとも心霊体験だったのか未だにわかりません。