「肝試し」
神奈川県、Kamiyaさんの投稿
 (文章の一部について、MoMoが加筆修正いたしました)

大学の友人二人が体験した事です。
もうかれこれ15年以上前の話です。

当時友人二人は大学のサークルに入っていて、
そのサークルはサークルぐるみでバイトをしていました。
私も何度か参加しましたが、
大手スポーツクラブが主催しているもので、
小学生のキャンプを引率するというボーイスカウトの様なバイトでした。

その夏も、いつものようにスポーツクラブからお声が掛かり、
友人は小学生を引率してキャンプに出かけました。
引率のメンバーは全部で10人程、
子供達(小学生)は50人程だったそうです。

子供達と一緒にワイワイ騒ぎながら夕食を作って食べ、
辺りが暗く、静かになってくると、でお決まりの「肝試し」です。
まっ、そうは言っても小学生ですから
2人一組で懐中電灯1個で暗い一本道の山道を歩いて、
折り返し地点にある札を取って帰ってくるという単純なもの。

友人2人は道の両脇で脅かす役になり、
準備の為に30分前に現地に到着し待機していました。

やがて30分が立ち、1組目が通過する時間になりました。
遠くに明かりが見え、かすかな足音が聞こえてきます
友人2人は
木陰に隠れてお互いに1組目が来るのを待ちました。
お互い飛び出すタイミングを計る為に目で合図をしていたそうです。
そして1組目が目の前を通過しました。

しかし、
2人は飛び出さなかったのです。

というのも
そこに人の姿はなく、光と足音だけが通り過ぎていったからです。
2人が何がなんだか判らず混乱しているところに
2組目の光と声と足音がやってきました。
気を取り直して隠れていたんですが、
また、光と声と足音だけが通り過ぎていったそうです。

2人ともさすがに怖くなり、真っ青な顔で見つめ合っていると、
今度は何処からともなく声がしてきたそうです。
ボソボソ・・・・・・ボソボソ・・・・・・

これはマズイと思い、
「今日は中止にしよう」と帰ろうとしたその時

突然妙に空気が重く冷たくなり、
沢山の足音が遠巻きに2人を取り囲んだそうです。
それも10人、20人どころの人数ではなく、百人単位の足音のようで、
2人とも恐怖のあまり足がすくんで動けなくなったそうです。
しかも、
先程のボソボソ・・・という声もだんだん大きくなっていきます。
次の瞬間、
突然、呪縛が解けたように足が動くようになり、
2人は一目散で走って帰ったそうです。
そして、状況を説明して肝試しを中止にしたそうです。

東京に帰って来てから2人は、
その山に‘いわく’がないか調べようと、まず地図を開いたそうです。
その山は御巣鷹山の近くでした。