「肝試し」
長野県
marthaさんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)

この話は
今つきあっている彼が高校生の時に体験した話です。

彼は高校時代、演劇部に入っており、
夏には恒例の合宿があったそうです。
二年生の夏、
長野県のある場所に合宿に行った時のことだそうです。

部屋割りは、同性同士2人一組(高校生なので当たり前ですが)、
彼は後輩と同じ部屋なったそうです。
が、
案内された部屋のドアを開けると、
嫌な雰囲気がし、しかも部屋全体が黄色がかって見えたそうです。
そうなんです。
彼・・・、霊感が結構強いんです。
しかも
後輩も霊感が強かったために、2人とも部屋に入ることが出来ず、
部長と部屋を代わってもらったそうです。

部屋に荷物を置いた後は、
先生と部長から合宿中のスケジュール説明や注意があり、
その後は入浴、夕食、そして明日のために睡眠・・・。

翌日は、
早朝から夕方暗くなるまでの猛練習。
しかし、そこは疲れ知らずの高校生のこと、
「夜は肝試しをしよう!」
・・・という話になったそうです。

ルールは、
男女ペアーで、ロウソクの灯りを頼りに雑木林の中を進み、
木造の掘っ立て小屋の裏手、積み上げられた丸太の上に置いた
ライターを取って帰ってくるというもの。

彼はスタート地点で自分の順番を待っている時から
雑木林からの無数の視線を感じていたそうです。
しかし、
一緒に行く女の子を怖がらせてはいけないと思い
そのことは黙っていたそうです。
そして
無事ライターを取りゴールにもどり、
肝試し大会は終わりました。

しかしその夜・・・。
彼と後輩はなかなか寝付けず、
二人で仰向けに布団に寝っ転がり
電気を消してぽつりぽつり話をしていたそうです。
そのとき、
木目の天井がぐにゃりと動いたかと思うと、
マーブルのように動きやがて人の顔になったそうです。
そして、瞬く間に、
十数人もの顔が浮かび上がってきたのです。

怖くなった二人が慌てて飛び起きた時には、
既に布団の周りをたくさんの霊が取り囲んでいたそうです。
とても恐ろしい顔をして・・・・・・・。
すると一人の霊が、

「静かに寝ている私達を起こしたのはお前たちか!!」
「お前たちなのか!」

2人は青ざめ、
布団の上で正座をし頭を下こすりつけるように必死に謝ったそうです。
しばらくすると霊たちは、

「二度とこのような事はするな!」

・・・と、言い残し帰っていったそうです。