「乗務員部屋」
伊豆 熱川温泉
ひささんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)

こんにちは、
ひさと申します。
以前、旅行代理店に勤めていました。

不思議な体験をしたは、ちょうどその頃、
今から10年程前の正月の事になります。
場所は、
伊豆の熱川温泉にある海の前にあるSホテル。
このホテル、当時でも結構古かったので、今もあるかは判りません。

当時付き合っていた彼女が、
「お正月だから、どこか行きたい!」・・・と突然言い出し、
「じゃ〜、温泉でも行こうか」
と、その日のうちに熱川にやって来たんです。
一般の方なら、
「お正月だから、早くから予約しないとダメ」・・・と諦めるところですが、
業界人の強みというか慣れというか、
現地に行ってしまえば何とかなるはずと
予約もせずに(予約する時間的余裕もなかったのですが)、
現地にやって来たんです。
そして、早速、駅前の観光案内所へ・・・・。

案の定、
空きが一軒見つかりました。
ただし、条件付ですが・・・・との事・・・。
その条件とは、部屋が狭い事と
オーシャンビューが売りのホテルなのに、部屋から海が見えない事。
たぶん乗務員部屋だよ・・・・と、彼女に耳打ちし
まあ、
それなら、泊まれないよりマシと即決したんです。

まあ、
そんなこんなで
ホテルに到着しチェックインを済ませ、部屋に通されると
やっぱり乗務員部屋でした。
窓を開けると、
海どころか、数メートル先には建物の壁。
ベランダすらありません。
部屋の中の湿度も高く、しばらく使っていなかったようでした。
彼女も初めはビックリしていたようですが、
ゆっくりと温泉に入り、結構豪華な夕食を頂くころには上機嫌で、
「いきなり来たのに、良かったよね」・・・と。

床について、どの位たったのでしょうか・・・
おそらく、深夜1時か2時頃だとおもうのですが、
僕は、急に寒気を感じて目を覚ましたんです。

それが、ただの寒気ではなく、
本当に体が凍ってしまうんじゃないかって位寒いんです。
(別に風邪をひいていたわけではありません)

しばらくは寒さに耐えていたのですが、
あまりに酷いので、隣で寝ている彼女に声をかけようすると
急に何かが僕を押さえつけてきて、身体が全く動かなくなったんです。
見ると、
モヤの様な、ハッキリとしない何かが腰の上に乗っているんです。
そして、
だんだんとお腹から胸、そして首へと上がってきて
「あぁ〜〜・・・殺される・・・」・・・・と。

直後、僕は気を失ってしまったのか、気がつくと朝になっていました。
寒気もなく、体調も良好。
悪い夢でも見たのかと、
彼女に昨夜の出来事を話すと・・・
彼女も僕と全く同じ体験をしていたんです。