「影」
ヤスさんの投稿


この話は私が北海道に旅行した時の話です。
友達2人と観光目的で旅行にいったんです。

みんなお金がなかったので民宿風の宿を予約したんです。
意外と人気があるのかお客が多く混んでいました。

その中で私達が案内された部屋はちょっと古いけどキレイに整えられた良い部屋でした。
少し壁にかかっている絵や掛け軸が多いという点を除けば…

「あの値段でこの部屋なら得したね」と友達2人は騒いでいましたが、
私は違和感を感じずにはいられませんでした

友達を先に温泉に行かしたあと、こっそり絵や掛け軸を調べてみると絵や掛け軸の裏にはお札がびっしりと貼ってあったんです。
背筋がゾクっとしながらも友達を怖がらせる必要もないと思い黙っていました。

夕食を食べ、ひとしきり騒いだ後、旅行の疲れですぐ寝てしまいました。

深夜、誰かの目線を感じ目を覚ましました。
辺りをぐるっと見回すと障子に妙に濃い影が映っていました。
その影はどーみても首を吊っている人の影なんです。

食い入るように見ていると影はゆっくり揺れ始めました。
その瞬間、影が消えたと思ったら背後に気配を感じました。

ばっと振り返ると、そこには…
振り返るとそこには、首を吊った着物姿の女性がいました。
その女性の幽霊と目が会った瞬間、
「何を見てるの?」という言葉を発し消えました。
私もすっと意識が遠くなりその後の記憶はありません。

朝、仲居さんにこの事を聞いてみると、
昔この部屋は仲居さんの休憩室で、ある日突然自殺した仲居さんがいたそうです…