「公園」
旋律さんの投稿
 (投稿原稿の内容を尊重しつつMoMoがリライトいたしました)

2泊3日で、
「京都 ラーメン食べ歩き 〜 車の旅」に友人と出たときのことです。
2日目、
観光で立ち寄った清水寺から
宿泊先の京都駅近くの某有名ホテルに向かう途中での出来事です。

突然、
車内が異常な違和感に包まれたのです。
運転していた友人もそれに気づき、しきりにバックミラーを見ています。

「おい・・・・」
「あー、俺も感じる」

友人に促されるように後ろを振り向くと・・・
3列目のシートに
血まみれの女性が長い髪で顔を半分隠して座っているのです。
白のワンピースに華奢な体・・・・・
前に見た映画の「呪怨」のイメージみたいでした。

私はそれを見た瞬間、「気づかれちゃダメだ」・・・と思い、
何事も無かった振りをしてホテルへと車を急がせました。

しかし、
ホテルに着いて、
夕食時、友人を話している時、
窓の外に違和感を感じ、それとなく視線を向けると・・・・
確かに・・・「彼女」は・・・そこに居ました。
私は、ここでハッキリと見てしまえば憑かれてしまうと思い、
すぐ視線をそらしましたが、友人の1人が見てしまったんです。 
血だらけの「彼女」を・・・

その後も「彼女」は、
私達を監視するようにまとわりつくので、
簡単な除霊を行ってから床につきました。

深夜、
友人のうめき声に目を覚ますと

「来る・・・何かが来る。」

友人は、
そう言ってずっとうめき続けています。
すると外から
ピチョン・・・ピチョン・・・ペタ・・・ペタ・・・
という水が滴り落ちるような音と素足で歩く音が聞こえてきます。
私は怖くなって、その場で九字を切りました。
友人達も起き上がって私に倣って九字を切りました。
次の瞬間、
水の音も足音も消え、辺りは元の静けさに戻りました。

しかし、
4時ごろ、またあの足音が聞こえてきたのです。

ピチョン・・・ピチョン・・・ペタ・・・ペタ・・・

友人の1人は苦しげな表情でうなされ続け、
私や他の友人達は金縛り状態で身動きが取れなくなったのです。

その後の記憶は余り無く
気づいたときには朝になっていました。
いつの間にか眠ってしまったようなのです。
友人達も同様にそのまま眠ってしまったようです。

飛び起きて、部屋を見渡したのですが
「彼女」はおらず、水の音も足音も消えていました。
しかし、
部屋の壁には、くっきりと・・・・血の手形が・・・

チェックアウトの前に、ホテルの人に事情を話すと

「清水寺近くの裏路地の公園に行かれませんでしたか?」

・・・と逆に尋ねられました。
私達はとても驚きました。
その場所は、
まさに昨日トイレに行った公園だったのです。
近くに廃アパートがあって、少し開けた場所なんですが、
人通りは全く無く、静寂が延々と続く感じの場所で・・・・

私達は旅行から帰って、早速、お寺にお払に行きました。
寺の人が言うには、
とても強力な念を持った霊で、
九字を切ったりしてなければ呪い殺されるところだった・・・・とか。

うっかりと足を踏み入れてしまったあの公園・・・・・
一体なんだったのでしょうか・・・?