「落ち武者その2」
永遠だよもんの投稿


その日の夜、
いつもは上からドンッと来ていたアレが、
ズッズッ・・とずってるような感じでお腹の上に来そうです。

姉貴はとにかく、ぎゅっと目を瞑り、
「首に巻いている赤い紐が守ってくれている
から大丈夫」と言い聞かすように考えているうちに朝になってたそうです。

上半身を起こすと、カサッと音がしたので
「ん?、何?」と思い
下を見ると、赤い紐が引き千切られ様になっていたそうです。
幅3сものの紐を首から引きちぎったならば首に跡が付きそうなものですが何もなく未だに謎です。

千切れた紐がどうも気になり、霊媒師の所に足を運んだんです。
霊媒師は、紐を見せた時点で明らかな動揺をされたそうです。
どうやら、その霊媒師の力よりもケタハズレに強い霊らしく、
もっと力のある僧を呼ばないと解決出来ないかもしれないと言われ、
「とにかく一度、姉貴の部屋を見たい」と
翌日、他のスケジュ−ルをキャンセルしてまで家にきました。

霊媒師は玄関に入った瞬間に顔が凍りつきました。
姉貴の部屋は2階にあるのですが、霊媒師は少し落ち着くために、まず、一階でお茶を飲みました。
(俺はそのときに姉貴の向かいにあたる自分の部屋に戻った)

しばらくして、
霊媒師は2階に上がって来たのですが、その足取りは重たく何かブツブツ言いながら上がってくるんです

階段も残り3〜4段って所で急にフラッと後ろに倒れそうになり、
後から登っていた姉貴とお母さんに支えられていました。

そして
「ごめんなさい。これ以上進めないので、どこか外からその部屋は見えないですか?」と 言われたので、
家から数メートル離れた堤防の上に姉貴と向かいました。

しばらくして、
帰って来たのですが、霊媒師の顔が真っ青だったのです。
姉貴も不安げな顔でまっすぐ自分の部屋に走るように登っていきました。
霊媒師は何かお母さんに説明してました。

姉貴は顔面蒼白になって降りてきて霊媒師にこう言ってました。
「ありました。南側の南の壁に。」

霊媒師、
「どういう形で出ていました?」

姉貴
「壁から血が出ていました」

俺は「んなアホな!」と思い姉貴に部屋見てもいいか?と聞くと

「お前も見てきてみ」と言われたので姉貴の部屋に入りました

確かに、南側の壁、
俺の身長が175cなんですが、俺の頭のちょっと上辺りから少し黒くなり始めた血痕がありました。

一階に下りると何やら話し込んでいます。
そして霊媒師は最後にこう言いました。
「貴女の体自体が霊に憑かれやすい体質で、今の私の能力では抑える事もままならない。
もし、強制で出そうものなら、私も貴女も霊に身体を乗っ取られる危険性も高いから、
下手に触れないほうが良いでしょう」

姉貴は今結婚して普通に暮らしてますが、
実はいまだにその霊は大人しくしているけど憑いてるそうです。