「ある廃墟」
こうじさんの投稿
今から20年ほど前の話です。
大阪の南部に河内松原市ってあるんですが、 そこに一軒の廃墟がありました。
電車の駅にほど近いその場所は周りが一面の野原で、その家だけポツンと建ってました。
近くには高校も大学もあり、人通りもそこそこあるにもかかわらず雰囲気が違いました。

どういういきさつで、 その家が廃墟になったのか詳しい事はわかりませんが、ただならぬオーラをはっしていました。

さて、今も昔も変わらずそういう場所には夜になると人が集まります。
その家にまつわる噂の真相を確かめに。

その噂ですが、
その家はとても小さな家で玄関から見て右側に六畳の部屋があり、 その奥にもう一つ六畳の部屋があり、部屋はその二つだけでした。
玄関から見て左側は、 風呂と便所と台所、 玄関からは真っすぐ廊下がありました。 平屋建てで、家の前は道路それ以外の三方は空き地で、どこからでも家が見渡せました。

問題は玄関から見て奥にある六畳の部屋。
手前の部屋にはタンス等の調度品があるのですが奥の部屋は何もありませんでした。
畳があるだけでした。

奥の六畳の部屋はなぜ畳しかないのか?
今思い出してもぞっとします。
ポルターガイスト現象なんて、そんな生易しいもんじゃありません 畳が動くのです。
畳が動くと言っても ピンとこないかもしれませんが、六枚の畳がいっせいに波打つようにうねるのです。
想像してみて下さい。
どれほど不気味な光景か…そして音がするのです。
バタン、バタン とその音は家の外にいてもはっきりと聞こえるんです。