「扉」
石川県輪島
○○寺
大阪府マコトさん
(地図で見るとモロなので、名前はちょっと・・・ byMoMo)

高校時代、
友人3人と自転車旅行に行った時の話です。
お金が余りないので、
公園や川原なんかにテントを張って、食事は自炊での旅行です。

しかし、その日は、テントを張る適当な場所がなくて、
ウロウロしている時、このお寺を見つけたんです。
既に、辺りは暗くなっていたので、
このお寺の境内にテントを張らせてもらうように頼んだんです。

幸い、親切な和尚さんで、
お寺の横の自宅の二階に泊めてくれるだけでなく、
なんと夕食までご馳走してくました。

夕食をご馳走になっている時の和尚さんの話。

「この寺ではね、檀家が亡くなると霊園の扉が開いて、
 新しい仲間を皆で迎えるんだよ」

「また、またぁ」・・・僕達は思いました。

その夜のこと・・・、深夜1時過ぎだったと思います。

「バタ、バタァ」

・・・という音で、僕たちは、目を覚ましました。
窓から外を見ると霊園の「扉」が、開いたり閉じたりしています。

「まっ、まさかぁ・・」

翌朝、
僕たちが、一階に降りていくと、
和尚さんが、正装をしていました。

そう、ちょうど、あの時間に、
檀家のおばあさんが息をひきとったんだそうです。