「迷宮入り」


警察官って、
年中無休で一生懸命、市民の為に頑張ってるイメージありますよね。
まっ、中には痴漢をしたり汚職をしたりする人もいますけど、
ほとんどの方は、日曜も祝日も正月もお盆も関係なく、
真面目に頑張ってて、ホント、頭が下がる思いですよね。
・・・・ってなことで、
警察の方々もたまには気分転換・リフレッシュてなもんで、
慰安旅行に出かけます。
「えぇ〜、お巡りさんも慰安旅行に行くのぉ〜」

・・・なんて書き出しで
以前に紹介させて頂いた「レンタルビデオ」って話・・・
皆さん、覚えてらっしゃるでしょうか?

今回の話は
同じ署の昨年の旅行会の時にお聞きした不思議な話です。


数年前の事
関西の某有名デパートで、
買い物に来ていた30代後半の女性(以下A子さん)が
若い女性に階段から突き落とされ大怪我をする事件があったんです。

平日とはいえ、
大きなデパートそれも店内での凶行ですから、
目撃者が非常に多く、すぐに犯人の女性の似顔絵が作られたんです。

似顔絵を持った捜査員が病院にA子さんを訪ねたところ、

「この女(以下B子)は主人の不倫相手です。」

そうなんです。
B子はA子さんのご主人の部下で、数年前から不倫関係にあって
A子さんに対して再三再四離婚を迫っていたと言うのです。
(ご主人は知らん振りだったそうで・・・・)

そこで警察は、
B子が離婚を承知しないA子さん逆恨みして
デパートの階段から突き落としたと考えたんです。

ここまでの話なら
火曜サスペンスのストーリー(ドロドロ人間模様)・・・・。
でも、
今回の話はそこからがちょっと違うんです。

実は、
事件が起こった時刻、
B子が関西にいなかった事が証明されたんです。
アリバイ工作なんていうトリックも通用しない場所にいたんです。
それは・・・社員旅行のバスの中、
ちょうど高速道路を走っている時間だったんです。

B子は
事件の前日から社員旅行に参加していて、
事件が起こった時刻には関西に帰るバスの中。
それも、
ビールを飲んでぐっすりと寝ていたというのです。
彼女が朝からずっと他の社員たちと同行動をとっていて、
犯行時間にも間違いなく彼女がバスの中にいた事は
参加した社員全員、バスの乗務員、旅行会社の添乗員が
はっきりと証明したために疑いようがなかったそうです。

それじゃぁ、
顔のそっくりな第三者の犯行・・・??

しかし、
その線はあっさりと否定されたそうです。
というのも、
多数の目撃者の証言によると
A子さんを階段から突き落とした若い女性は、
顔だけではなく、髪型、服装、持ち物等の全てが
社員旅行中のB子の姿と完全に一致していたからなんです。

捜査員は捜査資料に「生霊の仕業」とも書けず、
そのまま迷宮入り事件としたそうです。


やっぱ、女って怖い・・・