「自殺霊」
某所 ホテル


皆様もご存知の通り、
1990年代初頭にバブルがはじけて以降、
景気の低迷が続いているわけですが、
実は1995〜6年には若干持直しているんです。
しかし、
1997〜8年から再び景気は大きく後退し、
2002年には日経平均が一万円を切るところまで落ち込んだんです。
現在は
一万四千円程度までには上がって来ましたが、
私達庶民には景気が好転したという印象が全くありません。

その影響もあるのか
昨年度の年間自殺者は三万四千人を越えたと聞いています。
交通事故による死者の3倍以上です。
その原因の三分の一近くが
やはり、負債や事業不振、生活苦などの「経済・生活問題」だとか。
(その他は健康問題、人間関係など・・)
特に40〜50歳代の中高年の方が多く、60%を超えているんだとか。
そもそも
我が国の年間自殺者が三万人を初めて超えたのは1998年。
バブル崩壊は何とか乗り切ったものの
1997〜8年の大きな影響だと言われています。
それ以降、6年連続で増加の一途を辿っているんです。

さて、
この大きな景気の落込みがあった1998年・・某所のホテルで
経営難の中小企業経営者3人が首を吊って亡くなられています。

この3人はそれぞれ
経営する会社の資金繰りに走り回ったのですが、
どの銀行、金融機関からも相手にされなかったそうです。
そこで、
将来を悲観して3人は死を選んだ・・・と。
自殺する前に一室に集まって最後の酒宴を開いて、
その後、それぞれの部屋に戻って、
同じ時刻に同じロープを使って首を・・・・という経緯でした。

当時はTV・新聞などのマスコミでも随分大きく取り上げていたので、
ご記憶の方も結構おられるのではないでしょうか。

その後、
いつの頃からかは覚えていないのですが、
次のような噂を耳にするようになったんです。

『最後の酒宴を開いたとされる部屋に泊まると、
 深夜、突然テレビの電源が入るんだ。
 すると、
 ザァーという砂の嵐の画面にうっすらと影が浮かんで、
 それが徐々に3人の男性の姿に変っていくんだ。
 やがて、
 ボソボソボソと何か話し合っている声が聞こえてきて、
 しばらくすると、
 3人の男性うち2人が立ちあがったかと思うと、
 プツッ・・・とテレビの電源が落ちるんだ。』

3人の話の内容は、
同時刻に自殺するための手順を相談していたとも、
貸剥がしをした銀行への恨みを語っていたとも言われています。


悲しくて・・切ない噂です。
もし
本当の話であれば
一日でも早く御成仏される事を願わずにはいられません。