「迎えに来たのは・・」
宮崎市
M○○○・・ホテル

ウン年前・・・
知合いのガイドさんがまだ新人だった頃の体験談です。

修学旅行などでバスの台数多いときは、
ドライバー、ガイド達が集まって、宴会をすることも少なくありません。
場合によっては、外のスナックで飲もう・・・ってことも

この時も雰囲気が盛り上がって、
ホテルから5分ほど歩いたスナックに繰り出すことになったのですが、
彼女はちょっと用事を残していて、20〜30分位かかりそうなので、
皆に先に行ってもらうことにしたのです。
ただ、
当時の彼女は新人で、そのスナックの場所を知らないので、
30〜40分後位にホテルのロビーに迎えに来てもらうことになりました。

約30分後
彼女がロビーに下りていくと、ドライバーのNさんが既に待っていて、

「おおーい、こっち、こっち、もう皆盛り上がってるぞ!!」
「すみません、遅くなっちゃって・・・・」

Nさんは当時24〜5才位で独身、
ちょっとカッコいいので、ガイドの中では結構人気があったとか・・・。

「どうだ、初めての修学旅行は? 子供の相手は大変やろ??」
「はい、あんなにウルサイとは思わなかったです・・・」
「でも、お前も去年まで、あんなんやってんぞ!」
「ホント・・・、今思うと恥ずかしいです・・・」

そうこう話している内に、目的のスナックに着きました。

「さあー、ここ、ここ、先に入って!」

Nさんに促されるまま彼女がドアを開けると・・・
店の一番奥から声がかかりました。

「あれっ、場所知ってたんだ、今、行こうと思ってたとこなのに」

声のするほうを見てみると
Nさんが手を振っているのです。

「えっ、どういうこと? じゃぁ、私の後ろにいる人は誰?」

彼女が恐る恐る後ろを振り向くとそこには誰もいません。
つい数秒前まで、確かに後ろにNさんの気配を感じていたのに・・・。
彼女は、まっすぐ前を向いたまま皆の所へ歩き、

「あの〜、Nさん・・・私・・・ここに来たとき・・・一人でしたか??」
「あぁ、ひとりだったよ」
「Nさん、私を迎えに来ませんでした??」
「いや、今、行こうと思ってたとこ・・・」

それでは、彼女はいったい誰と一緒に・・・・??