「絵」
高知県 A温泉郷
お遍路さんも利用するという某ホテル

四国最南端の高知県A岬・・・。
荒れ狂う波が、それはそれは怖いくらい凄まじくて、
覗き込むと引き込まれそうな雰囲気・・・。
また、
遠くを見渡せば、視界のほとんど全てが水平線。

「地球って、やっぱり丸いんだよなぁ〜」

・・・・って、実感出来ちゃいます。

余りメジャーじゃないですけど、
ここにはA温泉郷という温泉地があるんです。
ホテル・旅館も10軒前後のこじんまりした温泉地なんですが、
足摺岬、竜串海岸、四万十川、白山洞門等の景勝も近く、
海の幸が抜群に豊かです。 (ホントおいしいぞぉ〜)

元々は、お遍路さんの宿泊が中心だったらしいんですが、
今では近代的で大きなホテルもあってナカナカなんです。


・・・ってな感じで、
行ってきました足摺温泉郷。
でも、
こんな所は夏か暖かいうちに行くもんですよね。
なのに、
何が悲しくて11月も末近くになっていくわけ、
MoMoは寒いのが大の、大の、大の苦手なのに・・・(T_T) 
足摺岬では凍死するかと思ったもん・・・

・・・で、
ホテルについたら、
仕事もそこそこに、大急ぎで暖かいお風呂に飛び込んで・・・

「あぁ〜ん・・・、生き返ったよぉ〜」・・・・って。

暖をとって、生き返った後は、バリバリ仕事をして、
そして、自分の部屋へ・・・・

はじめに部屋に通されたときは、全く気づかなかったんだけど 、
(身体が凍えて、余裕がなかったので・・・)
見ると、ベッドの枕元の壁に小さな額がかかってます。

黄色い可愛い花の絵・・・・・

何の変哲もない、ただの花の絵なんだけど、
ゾクゾクってするようなイヤァ〜な「オーラ」を放っているんです。

「何・・・これ・・・スゴク・・・気持ち悪い・・・??」

そぉ〜と、額を持ち上げて「額の裏」と「壁」を確認。

「よし、何もない」

ベッドの下、クローゼットの中、机とイスの裏側・・・

「うん・・・大丈夫・・・じゃぁ、このイヤな感じは・・・?」

まっ、いずれにしろ、
この花の絵が元凶であることは、まず間違いないんだから。
・・・ということで、
その絵をはずしてクローゼットの中に突っ込んで、
クローゼットの扉の前にイスを置いたんです。

「まっ・・・こんなとこね」

それから、
テレビを見ながら缶ビールを飲んで、
午前1時頃に、気持ちよく床についたんですが、
数時間後、
余りの寝苦しさに目を覚ましたんです。

真夏でもないのに、汗びっしょり・・・・

「えっ・・・今、何時・・・・・んー・・まだ4時じゃない、
 お遍路さんじゃないんだから、そんなに早起きしなくても・・・・」

次の瞬間、
心臓が飛び出るかと思うくらいの恐怖が・・・・

そう・・・、
枕元の壁に・・・「黄色い可愛い花の絵」が・・・・
でも、
クローゼットの扉前のイスもそのまま、扉も閉まったままなんです。

MoMoは、
大急ぎで荷物をまとめ、部屋を出てフロントに・・・

「ちょっ・・・ちょっと・・・」

フロントマンに事情を話すと、

「そうですか・・・また、戻ってきましたか・・・」

彼の話によると、
その「黄色い可愛い花の絵」は、
いつの頃からか、いつの間にか、その部屋に飾られていて、
誰が初めにその部屋に掛けたのかすら判らない代物なんですって。
・・・で、
この絵が壁にかかっていると、宿泊客が皆、不気味がるので、
いつも外して、ホテルの倉庫に入れてるんですが、
気がつくと・・・・また部屋に戻っているらしいんです。
ホテルの人達も
何か祟りでもあったらと気味悪がって、
捨てたり燃やしたり・・・というような処分出来ないとか・・・。


「絵」が勝手に移動する・・・不思議なホテルです。