「混線」
石川県 YS温泉
ホテルY

石川県YS温泉といえば、
北大路魯山人、泉鏡花、与謝野鉄幹・晶子夫妻など・・・
文学上の偉人ゆかりの温泉として広く知られていますよね。

歴史も古くて
約1300年前、かの高僧・行基が霊峰白山へ修業に向かう途中に
不思議な紫色にたなびく雲に導かれて見つけたのが始まりだとか。

ここの温泉・・・飲むと貧血や便秘に良いいらしく、
MoMoも行ったときには、朝昼晩とコップ一杯飲んでます。
何でも、一口一口噛むように飲むのがいいんだとか・・・牛乳??

・・・で、
今回の話は、この山代温泉の某有名ホテルが舞台です。
先日、
仕事でご一緒させて頂いたドライバーさんに聞いた話です。

その日、
ドライバーさんが通されたのは5階の一室。

「ほぉ・・・乗務員用にしてはナカナカ・・・」

・・・ってな感じの普通の部屋だったそうです。
 (普通の部屋で喜んでいるのが少し悲しいのですが・・・・)

夜11時過ぎ・・・・
お風呂も入って、一杯やって、床に入ろうとしていたところ・・・
大阪の友人から電話があったんです。

「もしもし・・・(ワァ〜イ)・・・おう・・・(ドタバタ)・・・うまい・・・(キャハッ)・・」

その電話は、どうも混線しているらしく、
子供達の笑い声や走回る音が入ってきたそうです。
まぁ、
会話が出来ない程の大きな声(音)ではなかったそうで、
そのまま、話をしてたんだそうです。

電話を切って、
床に入りウトウトとしかけた時・・・・、
耳元で、子供達の笑い声や走回る音が聞こえてきたんです。

ドタバタ・・・ドタバタ・・・キャー・・・アハハ・・・

そして・・・・、

「おじちゃぁ〜ん、起きてよぉー」

「ねぇ〜、聞こえてるぅ〜〜?」

・・・・と、
彼の体を揺さぶったり、顔をつねったり・・・。

な・・・何なんだ??
今日このホテルには子供なんて泊まっている様子なかったし
第一、どうやって部屋の中に入ってきたんだ??
それに・・・・
この笑い声や走回る音は、さっきの電話の・・・・

「ねぇ〜、目を開けてよぉ〜。」

「見て、見て、見て、ねぇ〜見てよぉ。」

彼は、彼の顔を覗き込むたくさんの視線を感じて、
恐怖で目を開けられなかったそうです。

しばらくの間、
子供たちは、彼の周りを走り回ったり、彼の顔を覗き込んだり
・・・と、
はしゃぎ回っていましたが、彼が目を開けないと判ると・・・、

「おじちゃ〜ん、今日は帰るねぇ〜、今度は遊んでねぇ〜
 じゃ〜ねぇ、バイバァ〜イ・・・またねぇ〜・・・」

・・・と言って、何処かに消えて行ったそうです。

後日、
床に入る前に電話をしていた友人にこの話をすると、
その友人もその晩、
子供達の笑い声と金縛りに苦しんだとのことだったそうです。

いったい、
あれは何だったんでしょうか?
それに、
どうして、電話の向こうの友人のところにまで・・・・

・・・・

MoMoです。
実は、このホテル・・・・子供の霊が出るという噂があったんです。
ただ、
その霊が電話を通じて大阪の友人の家に来たというのは・・・
信じられないような話です。